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株式会社オブライト
Business DX2026-07-17

「10年前のホームページ」を放置した会社がリニューアルに動くまで — よくある課題と解決パターン

スマホ非対応・更新不能・問い合わせゼロのまま10年放置されたホームページが、採用課題をきっかけにリニューアルへ動き出す一般的な流れを解説する。


「10年前のホームページ」がリニューアルに動き出すまで

中小企業でよく見られる課題パターンのひとつに、開業当時に作ったホームページを10年近くほぼ手を加えずに使い続けている、というものがある。スマートフォンでの表示が崩れる、担当者が退職して更新方法が分からない、問い合わせフォームからの反響がほぼゼロ、といった状態でも、日々の業務に追われて後回しにされがちな課題である。

本記事は特定の企業の事例ではなく、中小企業に共通してよく見られる課題と解決の流れを一般化した解説である。登場する会社・数値・エピソードはいずれも典型例として構成したものであり、実在の特定企業を描写するものではない。

典型的な状況設定

従業員25名規模、BtoB向けに部品加工や設備メンテナンスを手がける製造・サービス業を想定する。売上の大半は既存取引先からの紹介やリピートで成り立っており、ホームページは「あれば良い」程度の位置づけで、開業時に知人に頼んで作った簡易なサイトを10年近くそのまま使ってきた。

課題の構造

このパターンに共通する課題は大きく3つに整理できる。第一に、スマートフォンで見ると文字が読みにくくレイアウトが崩れる「非対応」の問題。第二に、更新を依頼していた制作会社や担当者と連絡が取れなくなり、社内の誰も更新方法を知らない「更新不能」の問題。第三に、問い合わせフォームからの反響がほぼゼロで、サイトが営業活動に貢献していない「機能不全」の問題である。

これらは単独では緊急性が低く見えるため、後回しにされやすい。しかし、あるきっかけで優先度が急に上がることが多い。典型的なのが、新卒・中途採用の応募者が必ず会社のホームページを見てから応募や辞退を判断している、という事実に気づくケースである。求人媒体経由で応募が来ても、面接前にサイトを見て「古い」「情報が少ない」という理由で辞退されている可能性に、採用担当者が気づいて初めて経営者に危機感が伝わる。

また、取引先の担当者交代のタイミングでホームページを見られ、「今も事業を続けているのか」と問い合わせが来て初めて古さを指摘されるケースも典型的である。名刺交換をした相手が会社概要や実績を確認しようとサイトを開き、更新日が数年前のままだったり、掲載されている事業内容が現状と食い違っていたりすると、それだけで信頼感を損ないかねない。ホームページは営業担当者が気づかないところで、会社の第一印象を左右し続けている。

目的の絞り込み

このパターンで重要なのは、「とりあえず全部作り直す」ではなく目的を絞り込むことである。典型例では、目的を「商談時に見せる営業資料の代わりとして機能すること」と「採用候補者に安心感を与えること」の2点に絞り込み、それ以外の機能(オンライン予約、多言語対応、ECなど)は初期スコープから外す、という判断がよく行われる。目的を絞ることで、選択肢の比較や費用感の判断がしやすくなる。

検討した選択肢の比較

選択肢費用感更新のしやすさ向いているケース
無料ツールで自作ほぼ0円自分で全て操作、学習コスト大予算が極めて限られる場合
テンプレート制作(制作会社)数十万円程度ある程度定型、更新は限定的早く安く形にしたい場合
オリジナルデザイン制作100万円台〜制作会社依存になりやすいブランドイメージを重視する場合
フルリニューアル+CMS導入150万円台〜社内で文章・画像を随時更新可能採用ページなど頻繁な更新が必要な場合

典型例では、更新体制を自社に取り戻すことを重視し、CMS(コンテンツ管理システム)を導入したフルリニューアルを選ぶケースが多い。発注先の選び方や見積もりの読み方については、RFP入門見積書の読み方を事前に押さえておくと、複数社の提案を比較しやすくなる。

実際の進め方(時系列)

- 1〜2ヶ月目: 現状サイトの棚卸し、目的の絞り込み、社内での原稿・写真素材の洗い出し
- 2〜3ヶ月目: 複数の制作会社に相談し、発注前チェックリストを使って提案内容と見積もりを比較
- 3〜4ヶ月目: 発注先決定、サイト構成・デザイン方針の確定
- 4〜6ヶ月目: デザイン制作、原稿作成・確認、CMS構築
- 6ヶ月目: 公開、社内での更新担当者への操作研修

費用感

このパターンでは、一般に150万〜300万円程度の幅に収まることが多いが、ページ数やオリジナルデザインの範囲、CMSの種類によって上下する。費用相場も参考にしつつ、維持費として月額数千円〜数万円程度のサーバー・保守費用が別途かかる想定で予算組みをしておくと後で慌てにくい。金額は制作会社や要件によって大きく異なるため、必ず複数社から見積もりを取り、条件をそろえて比較することが望ましい。

見積もりを比較する際は、総額だけでなく内訳にも目を向ける必要がある。デザイン費、コーディング費、CMS導入費、写真撮影費、ライティング費などが「一式」でまとめられていると、どこにコストがかかっているのか判断しづらい。項目ごとの単価が明記された見積もりを提示できるかどうかも、発注先を見極める材料のひとつになる。

つまずきやすいポイント

- 発注はしたものの、掲載する原稿(会社紹介文、事例、社員インタビューなど)が社内から出てこず、スケジュールが後ろ倒しになる
- 完成後、更新担当者を決めていなかったために結局誰も更新せず、数年後にまた同じ課題が再燃する
- デザインの好みを巡って社内の意見がまとまらず、方向性決定に時間がかかる
- 採用ページの重要性を軽視し、後から追加費用が発生する
- ドメインやサーバーの契約が旧担当者や旧制作会社の名義のままになっており、リニューアル時に権利関係の整理から始めなければならない

よくある質問

制作会社選びで最初に確認すべきことは?

公開後の更新を自社で行えるCMSか、更新のたびに追加費用が発生する仕組みかを最初に確認するとよい。あわせて過去の制作実績や保守体制も比較材料になる。

リニューアル後の運用体制はどう決めればよいか?

公開前に更新担当者と更新頻度の目安(月1回など)を決めておくと、公開後に放置される事態を防ぎやすい。

予算が限られる場合はどう進めればよいか?

初期スコープを営業資料代わりと採用訴求の2点に絞り、写真や動画などのコンテンツ制作は自社でできる範囲を洗い出した上で、制作会社に依頼する範囲を最小限にする方法がある。

まとめ

「10年前のホームページ」問題は、緊急性が低く見えるために放置されがちだが、採用や商談の場面で静かに機会損失を生んでいることが多い。目的を絞り込み、更新体制まで含めて検討することが、同じ課題を繰り返さないための鍵になる。

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