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株式会社オブライト
AI2026-09-09約9分で読めます

Grok Botの作り方とマーケットプレイス公開手順 — 69の公開Botに学ぶ設計パターン

Grok Bot Marketplaceは2026年8月28日にローンチしたテンプレート広場で、公開Bot69個・クリエイター43人・9カテゴリが並ぶ。Botの作り方からスキルとルーティンの設定、Share as templateでの公開手順、公開Botに共通する設計パターンまで公式ドキュメントに基づいて解説する。


Grok Bot Marketplaceとは

xAIは2026年8月28日、Grok Botのテンプレートを作成・共有できる「Bot Marketplace」をローンチしたと報じられている。8月11日のベータ開始から17日後だ。2026年9月9日時点で、公式サイトには69 Bots・43 creators・9カテゴリが掲載されている。Grok Bot自体の概要はGrok Botとは(8月11日の発表解説)で扱った。本稿では公式Docsに基づき、Botの作り方からスキル・ルーティンの設定、公開手順、公開Botの指示文から読み取れる設計パターンまでを整理する。

作り方から公開までの流れ

細かい手順の前に、全体像を先に押さえておきたい。Botづくりは大まかに「作成する→プロフィール(名前・肩書・説明・アバター)を設定する→具体的な1つのタスクで会話を始める→うまくいった手順をスキルとして保存する→繰り返す仕事はルーティンとしてスケジュール化する→Share as templateでテンプレート化する→APIキーや内部URL・顧客データなど秘密情報を手動で削除する→チーム向けまたは一般公開で公開する→受け取った側はImport Botで自分専用の独立したコピーを追加する」という流れで進む。テンプレートとして渡るのはプロフィール・説明・スキル・ルーティン・アイデンティティであり、会話履歴や学習済みのメモリは引き継がれない。この点は「テンプレートとして共有・公開する」章で改めて説明する。次章ではまず現在のマーケットプレイスの様子を数字で確認する。

Grok Botを作ってマーケットプレイスに出すまでの工程:Bot作成→プロフィール設定→具体的なタスク→スキル化→ルーティン化→Share as template→秘密情報の削除・レビュー→チーム/一般公開→Marketplace掲載(利用者はImport Botで独立コピー)

Bot Marketplaceの現在地

2026年9月9日時点で、Bot Marketplaceの実測値と出品ページの構成は次の通りだ。

項目内容
公開Bot数69 Bots
クリエイター数43 creators
カテゴリ数9カテゴリ
カテゴリ例From Grok Bot Team / Engineering / Sales / Marketing / Design / Personal / Recruiting & People / Operations / Product
ローンチ時期(二次情報)2026年8月28日(ベータ開始の8月11日から17日後)
出品ページの構成説明文+Import Botボタン、Memories/Skills/Routines/Integrationsの4タブ

掲載Botの例としては、見込み客調査と初回メール下書きを担うOutbound Prospecting(送信は必ず承認を挟む)、検索・AI検索対策のSEO & AEO Desk、SaaS支出の棚卸しと値下げ交渉の下書きを作るHaggle Bot、採用連絡のRecruiting Coordinator、毎晩4時にコードベースを監査してPRを作るNightly Audit Engineer、競合の動きを追うCompetitor Watch、文章のAI臭さを削るCopy Humanizerなどが並ぶ。9月4日にはイーロン・マスク氏がHaggle Botを「gamechanger」と紹介したとも報じられている。

Botを作る

- サイドバーの「New」(またはCmd/Ctrl+N)から「New chat」→「Create new agent」を選ぶ
- するとまず「New Agent」という名前のBotが作成される
- 「Bot actions → Edit Profile」を開き、名前・タイトル(肩書)・説明・アバターを設定する
- 「何でもできるアシスタント」にはせず、具体的な1つのタスクで会話を始める

説明(Description)欄には、ルール性の高い指示を書いておくと安全に運用しやすい。公式Docsが挙げている例は "Never send external messages without approval"(承認なしに外部へメッセージを送らない)というものだ。詳細な手順は公式Docs(docs.x.ai/grok-bot/bots)にまとまっている。複数のBotを同じグループチャットに入れると、Bot間の引き継ぎ(ハンドオフ)が可視化され、協調して作業を進められる。なお、Grok Botを使えるプランの範囲は段階的に拡大しており、詳細はGrok Botの対象プラン拡大の続報で解説している。

スキルとルーティンで「仕事」を定義する

- Skillとは「タスクのやり方を再利用できる形でまとめた指示セット」で、手順・判断ルール・期待する出力・安全境界を含む
- 作り方は2通り。手作業でタスクを終えたあとにBotへ「Save the process we just used as a skill」と依頼する方法と、「Teach a task」機能でブラウザ操作を最大10分実演して記録し、ドラフトに判断ルールと承認境界を追記する方法だ
- スキルは「Settings → Plugins」で確認・インストールでき、入力欄で「/」を打つと参照できる。プライベートスキルはBotごとに有効化する
- スキルに含める要素は、使う場面・必要な入力とアクセス・作業の流れ・結果の検証方法・返すもの・承認が必要な処理の6点
- Routineは「1つのBotに、いつワークフローを実行するかを伝える」仕組み。スケジュール型(例:「平日毎朝8時にDaily customer-riskスキルを実行」)とイベント型(Slack・GitHub通知など、別途接続が必要)がある
- 作成時は担当Bot・スケジュールや入力元・期待結果・承認境界・データがない場合の挙動を決め、Test runで安全な入力を使って検証してから有効化する
- 上限はBotあたり最大50ルーティン、実行記録は20件保持。削除は即時で取り消せない。送信・購入・削除・本番システムの変更は必ず承認を挟み、「広すぎるイベント監視は避ける」ことが推奨される

テンプレートとして共有・公開する

公式Docsが示す共有手順はシンプルだ。Botを開いて共有リンクをコピーし、受け取った側はx.ai上でプレビューしたうえで、Grok Botアプリの「Add to Grok Bot」を選んで確定する。一般公開までの流れについては、Botの設定から「Share as template」を選ぶと未公開ドラフトが生成され、内容をレビューしたうえで「チーム向けに公開」または「一般公開してリンクをコピー」を選ぶ、と解説されている。

引き継がれるもの引き継がれないもの
プロフィール・説明・スキル・ルーティン・アイデンティティ会話履歴、学習したメモリ、チャット添付、あなたのコンピュータやログイン情報

公開前にはAPIキー・内部URL・顧客データなどを手動で削除する必要がある。これらは自動では除去されない、と公式Docsは明記している。一般公開したテンプレートがBot Marketplaceにどのような形で掲載されるか——自動掲載なのか、それとも申請やキュレーションを経るのか——については、本稿執筆時点の公式Docsに明記がない。マーケットプレイス自体は、クリエイター名付きの「公開Bot」の一覧として掲載されている、という事実の範囲にとどめて理解しておきたい。テンプレートの再配布には原作者の許可が必要、とも解説されている。

公開Botに学ぶ設計パターン

- 「One job(1つの仕事)」を1文で定義し、「Anti-jobs(やらないこと)」を明記して役割の暴走を防ぐ
- 「FIRST RUN」で初回セットアップ時に聞くべき質問を固定化し、「DAY TWO」で2回目以降の振る舞いを定義する
- 送信・支払い・署名は「明示的なGo」なしに絶対に行わない、というガードレールを冒頭に置く
- 出力の品質基準(例: 金額には根拠を付ける、数字を捏造しない)を明文化する

例えばHaggle Bot by Daniel GartsheinはSaaS支出の棚卸しと値下げ交渉の下書きを担うが、説明文の中で支払い・署名・送信は絶対に行わないと明記されている。こうした「やることと、やらないこと」を最初から本文に公開しておく設計は、69個の公開Botの多くに共通して見られる。

利用者側の安全な導入手順

- Botを追加する前に、プレビュー画面で説明・スキル・ルーティンの内容を読む
- アカウント接続は必要最小限にとどめる
- ルーティンを有効化する前に、安全なテストタスクで動作を確認する
- 追加時には「may perform actions on your behalf ... through your connected accounts」への同意が求められるため、内容を理解したうえで承認する
- アカウント内のすべてのBotは同じクラウドコンピュータを共有する点も踏まえておく

中小企業への示唆

自社の定型業務を「1つの仕事のBot」に切り出して考える発想は、Grok Bot固有の話にとどまらない。日々の業務のうち、手順が決まっていて判断ルールを言語化できるものがあれば、それをスキルとして書き出し、承認境界を決めたうえでルーティン化する、という順序は社内のテンプレート化にも応用できる考え方だ。一方で、社外に共有・公開する場合は、APIキーや顧客データなど秘密情報を手動で確認・削除する工程を省略しない、という規律も同時に必要になる。

よくある質問

誰でもBotを作れますか?

Grok Botは対象プランに加入し、対応するアプリから「New agent」を作成することで利用できる、と公式Docsで説明されている。対象プランの範囲拡大については別記事で解説している。

Botを公開すると何が相手に渡りますか?

プロフィール・説明・スキル・ルーティン・アイデンティティが引き継がれる。会話履歴、学習したメモリ、チャット添付、コンピュータやログイン情報は渡らない、と公式Docsは説明している。

公開に審査はありますか?

一般公開したテンプレートがBot Marketplaceにどのような形で掲載されるか(自動掲載か、申請やキュレーションを経るか)は、本稿執筆時点の公式Docsに明記がない。

インストール時のリスクは何ですか?

追加時に「あなたに代わってアクションを行う場合がある」ことへの同意が求められる。プレビューで内容を確認し、アカウント接続を必要最小限にとどめ、ルーティンを有効化する前に安全なテストタスクで動作を確認することが推奨される。

まとめ

Grok Bot Marketplaceは、2026年9月9日時点で69個の公開Bot・43人のクリエイター・9カテゴリを抱えるテンプレートの一覧だ。Botづくりは具体的な1つのタスクから始め、うまくいった手順をスキルに、繰り返す仕事をルーティンに落とし込み、公開前には秘密情報を手動で削除する、という流れが公式Docsから読み取れる。公開されているBotの指示文には「One job」「Anti-jobs」「FIRST RUN / DAY TWO」「承認ガードレール」「品質基準の明文化」といった共通パターンがあり、これから自分のBotを作る際の参考になる。

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