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株式会社オブライト
Business DX2026-07-09

『デジタル人材がいない』の答え — 採用・育成・外部活用の使い分け

『デジタル人材がいない』を採用・社内育成・外部活用の3つに分解し、それぞれが向くケースと制約を比較。中小企業のIT人材不足への向き合い方を中立的に解説します。


『デジタル人材がいない』とは何を指すか

『デジタル人材がいない』とは、ITツールの導入・運用やデータ活用、業務のデジタル化を推進できる人材が社内に不足している状態を指す。中小企業の経営者・管理者が採用面接やIT投資の検討の場でしばしば口にする言葉だが、実際には「採用で解決すべき不足」「社内育成で埋められる不足」「外部の力を借りるべき不足」が混在していることが多い。ここでは、その不足の構造と、採用・育成・外部活用という3つの選択肢の使い分けについて整理する。

現状の背景:中小企業のIT人材不足はなぜ起きるか

IT人材の不足は大企業も含めた社会全体の課題として指摘されることが多いが、中小企業では採用市場での競争力(知名度・給与水準・キャリアパスの提示など)の面で不利になりやすいと一般に言われる。加えて、専任のIT担当者を置く規模に至っていない企業では、既存の総務・経理担当者が本来業務と兼務でIT対応を担うことも多く、専門性を高める時間や機会が限られやすい。地方に拠点を置く企業では、都市部と比較して採用候補者の母数自体が少ないという地理的な制約も加わる。人手不足全般とデジタル化の関係については中小企業の人手不足とDXの進め方で扱っている。

『いない』の中身を分解する — 3つの不足パターン

- 戦略・企画人材の不足: どのツールを、どの業務に、どの順序で導入すべきかを判断できる人材がいない
- 実装・運用人材の不足: 選定したツールやシステムを実際に設定・運用・保守できる人材がいない
- 日常的な活用人材の不足: 導入されたツールを現場で使いこなし、データを入力・活用する人材が育っていない

採用・社内育成・外部活用、それぞれの特徴

3つの選択肢にはそれぞれ異なる時間軸とコスト構造がある。採用は即戦力を確保できる可能性がある一方、中小企業では母集団形成や条件面で難航しやすく、採用までに時間がかかる。社内育成は既存社員の業務理解を活かせる利点があるが、専門性の習得には一定の期間を要し、育成中も本来業務との両立が課題になる。外部活用(IT顧問、受託開発会社、副業・複業人材など)は必要な期間・範囲に限定して専門性を確保できる一方、社内にノウハウが蓄積されにくいという指摘もある。

外部活用の内訳 — 顧問・受託・副業人材の違い

外部活用と一括りにされることが多いが、その形態にはいくつかの種類がある。IT顧問は経営層に近い立場で戦略・企画面の相談役となることが多く、実装作業は別途必要になる場合がある。受託開発会社はシステムの設計・開発・保守を包括的に担うため実装・運用人材の不足を補いやすいが、日常的な活用の定着は発注側の役割として残る。副業・複業人材は特定のスキル領域(データ分析、Webサイト運用など)に限定して稼働してもらう形態で、比較的低コストで専門性を取り込める一方、稼働時間や関与範囲に制約がある。地方企業がリモートで人材を確保する動きについては地方企業のリモート人材活用で詳しく扱っている。

採用・育成・外部活用の比較

選択肢向いているケース主な制約
採用恒常的にIT業務量があり、長期的に社内に専門人材を置きたい場合採用市場での競争力確保が難しく、母集団形成・採用まで時間がかかる
社内育成既存社員が業務内容を熟知しており、時間をかけて専門性を積み上げられる場合習得までの期間が必要で、育成中は本来業務との両立が課題になる
外部活用(顧問・受託・副業人材)特定期間・特定領域に限定して専門性が必要な場合、まず小さく試したい場合社内にノウハウが蓄積されにくく、依存度が高まると切り替えコストが発生する

使い分けの実務手順

- 不足の種類を特定する: 戦略・実装・活用のどの段階でつまずいているかをまず切り分ける
- 時間軸を決める: 今すぐ対応が必要か、半年〜1年かけて育てる余地があるかを整理する
- 小さく外部活用から試す: いきなり採用に踏み切るのではなく、顧問や副業人材で一部業務を任せ、必要な役割の解像度を上げてから採用可否を判断する方法もある
- 育成と外部活用を組み合わせる: 外部人材と一緒に業務を進める過程で、社内担当者が知識を吸収し、段階的に内製化していく進め方も一般的である

外部人材の活用と合わせて、日常的な事務作業自体を外部委託(BPO)で効率化する選択肢もある。バックオフィス業務の外部委託の基本についてはバックオフィスBPOの基礎知識で解説している。

FAQ

デジタル人材の採用が難しい場合、何から始めるべきですか?

採用が難航している場合は、まず自社に不足しているのが戦略・実装・活用のどの段階かを整理し、外部の顧問や副業人材など、限定的な範囲から関与してもらう方法を検討するのも一つの考え方である。

社内育成にはどのくらいの期間がかかりますか?

対象とする業務範囲や本人の経験、日常業務との兼務の程度によって大きく異なるため、一律の目安を示すことは難しい。育成計画を立てる際は、どこまでの業務を任せたいかという到達目標を先に定義しておくことが望ましいとされる。

外部活用に依存しすぎるとどのような課題がありますか?

外部人材への依存度が高くなると、契約終了時や担当者交代時にノウハウが社内に残らず、業務が再び停滞するリスクが指摘されている。外部活用と並行して、社内担当者への知識移転を意識的に組み込むことが重要とされる。

まとめ

『デジタル人材がいない』という課題は、単一の解決策で片づくものではなく、不足している人材の種類(戦略・実装・活用)と、対応にかけられる時間軸によって、採用・社内育成・外部活用を組み合わせて使い分けることが基本的な考え方となる。まずは自社の不足の中身を分解して把握することが、最初の一歩になる。

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