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株式会社オブライト
Business DX2026-07-18約6分で読めます

ワークフロー・電子稟議システムの開発費用 — 既製サービスと自社開発の相場(申請・承認の電子化)

ワークフロー・電子稟議(申請承認)システムの開発費用を解説。既製ワークフローSaaSで足りるケースと自社開発が向くケースの違い、内部統制・電子帳簿保存法対応の論点も整理。費用は要件により変動するため複数社比較を推奨する。


ワークフロー・電子稟議システムとは

ワークフロー・電子稟議システムとは、稟議(りんぎ)や各種申請の起票・回覧・承認・保管を電子化し、「誰が・いつ・何を承認したか」の記録を一元管理する仕組みを指す。紙の稟議書やハンコによる回覧、メール添付での申請を置き換え、承認の滞留や書類の紛失をなくすことを目的とする。近年はクラウド型のワークフローSaaSが数多く登場しており、月額数百円〜/ユーザー程度から利用できる既製サービスで多くの中小企業の申請・承認業務はカバーできるようになっている。そのため開発費用を検討する前に、まず既製サービスで自社の承認フローが実現できないかを確認することが出発点になる。

ワークフローシステムに求められる典型的な機能

- 申請フォームの作成: 稟議・経費精算・休暇申請・購買申請など多様な様式をノーコードで作成する
- 承認ルートの設定: 金額や部署に応じた多段階承認・条件分岐・代理承認・引き上げ承認
- 通知・リマインド: 承認待ちの通知、滞留案件の督促、期限アラート
- 証跡・監査ログ: いつ誰が承認・差し戻ししたかの改ざん困難な履歴保存
- 基幹・会計システム連携: 承認済みデータを会計・購買・人事システムへ連携する
- モバイル承認: スマートフォンからの申請・承認(外出先・現場での対応)

実現方法の3段階と費用レンジ

ワークフローシステムの実現方法も大きく3段階に分けられる。定型的な稟議・経費・休暇申請であれば既製SaaSで完結することが多く、独自の承認ロジックや基幹システムとの一体運用が求められるほど、カスタマイズや自社開発の必要性が高まる。

実現方法概要初期費用の目安月額・保守費用の目安
1. 既製SaaS利用型ワークフローSaaSを契約し標準機能の範囲で申請様式・承認ルートを設定0〜10万円程度(初期設定・様式作成支援)数百円〜1,000円程度/ユーザー(月額)
2. SaaSカスタマイズ・API連携型既製SaaSをベースに基幹・会計・人事システムとAPI連携し独自帳票を追加30万〜200万円程度1万〜10万円程度
3. 自社開発(基幹一体型)独自の承認ロジックや業務システムと一体でワークフローを開発300万〜1000万円程度、規模により超える場合も保守費用として初期費用の10〜15%程度/年が目安

上記はあくまで一般的な目安であり、実際の費用は要件により大きく変動する。費用相場の考え方全般についてはシステム開発費用の考え方も参照してほしい。ユーザー課金型のSaaSは利用人数が増えるほど月額が積み上がるため、全社導入する場合は人数規模での試算が欠かせない。

既製サービスで足りるケース・自社開発が向くケース

多くの中小企業にとっては、既製のワークフローSaaSに標準の申請様式(稟議・経費・休暇・購買)を設定するだけで十分に運用できる。一方で、金額や取引先に応じて承認ルートが複雑に分岐する、基幹システムの在庫・受発注データと承認を連動させたい、といった独自要件が必須の場合は、SaaSのカスタマイズや自社開発が選択肢に入る。受発注業務そのものの電子化を検討している場合は受発注システムの開発費用も併せて確認するとよい。

内部統制・電子帳簿保存法との関係

ワークフローシステムを検討する際は、内部統制や電子帳簿保存法への対応も論点になる。稟議や経費申請の承認記録は、支出の妥当性を後から検証するための証跡であり、「誰が承認したか」を改ざん困難な形で残せることが重要である。特に経費精算・請求・支払いに関わる申請では、電子帳簿保存法の電子取引データ保存要件(日付・金額・取引先での検索性の確保など)を満たす必要がある。既製SaaSの多くは標準で証跡ログや電子帳簿保存法対応を備えるが、自社開発の場合は保存要件をシステム仕様に組み込む工数が発生するため、見積もり段階で対応範囲を確認しておきたい。

費用が変わる主な要因

- 承認ルートの複雑さ: 金額・部署・取引先による多段階分岐や条件付き承認が多いほど設計工数が増える
- 申請様式の数: 電子化する申請の種類が多いほどフォーム作成・テストの工数がかかる
- 利用人数: ユーザー課金型SaaSは人数に比例して月額が増える
- 既存システムとの連携: 会計・人事・基幹システムとのAPI連携は追加開発の主要因になる
- モバイル対応・多拠点対応: 現場・外出先からの承認要件があると設計の範囲が広がる
- 監査・統制要件: 内部統制報告への対応や電子帳簿保存法対応の厳密さで工数が変わる

進め方と失敗しないポイント

進め方としては、まず現状の申請・承認フローを棚卸しし、「本当に必要な承認段階」を減らすことから始めるとよい。紙の回覧をそのままシステムに移すだけでは、承認の滞留という根本問題は解決しない。そのうえで既製のワークフローSaaSで自社のフローがどこまで実現できるかを試算し、それでも満たせない要件だけをカスタマイズ・自社開発の対象にすると費用対効果が高い。社内の情報共有基盤全体を整理したい場合は社内ポータル・イントラサイトの開発費用、発注先の選び方全般はシステム発注ガイドも参考になる。

よくある質問

既製のワークフローSaaSと自社開発、どちらを選ぶべきですか?

稟議・経費・休暇・購買といった定型の申請承認であれば、既製のワークフローSaaSで十分なことが多い。金額や取引先による複雑な承認分岐、基幹システムとの承認連動が必須の場合に限り、カスタマイズや自社開発を検討するのが費用対効果の面でも現実的である。

ワークフローSaaSの月額はどのくらいかかりますか?

ユーザー課金型が一般的で、1ユーザーあたり月数百円〜1,000円程度が目安になる。全社導入すると利用人数に比例して月額が積み上がるため、実際に申請・承認を行う人数で試算することが重要である。無料枠や小規模プランを持つサービスもある。

電子帳簿保存法に対応したワークフローは追加費用がかかりますか?

多くの既製SaaSは電子取引データの保存要件を標準機能として備えており、追加費用がかからないことが多い。一方で自社開発の場合は、検索要件や改ざん防止措置をシステム仕様に組み込む工数が発生するため、見積もり段階で対応範囲を必ず確認しておきたい。

会計システムや人事システムと連携できますか?

多くのワークフローSaaSがAPIやCSVでの連携に対応しているが、連携先のシステム側の仕様によって実現可否と工数が変わる。標準コネクタがあれば低コストで済む一方、独自の基幹システムとの連携は個別開発になり数十万円〜の追加費用が発生することが多い。

まとめ

ワークフロー・電子稟議システムの開発費用は、既製SaaSをそのまま利用する場合であれば1ユーザーあたり月数百円程度から始められる一方、独自の承認ロジックや基幹システムとの一体運用を求めると初期費用で数百万円規模になることもある。まずは承認フロー自体を見直して段階を減らし、既製SaaSで実現できない要件だけをカスタマイズ・自社開発の対象とするのが、費用と効果のバランスが取りやすい進め方である。費用は要件により大きく変わるため、複数社の見積もりを比較して判断することをすすめる。

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