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株式会社オブライト
AI2026-10-30約10分で読めます

Graphify とは — コード・ドキュメント・PDFをナレッジグラフにしてコーディングエージェントに引かせるOSS(

Claude Code・Cursor・Codex対応、ベクトルRAG・Serena・OpenViking・Hindsightとの違い)【2026年版】

Graphifyは、コード・ドキュメント・SQLスキーマ・PDFを問い合わせ可能なナレッジグラフに変換し、Claude Codeなど20超のエージェントから引かせるOSS。コード解析はLLM不要でローカル完結。インストール、使い方、ベクトルRAG・Serena等との違いを整理。2026年10月更新。


Graphify(Graphify-Labs/graphify)は、コードベースとそのドキュメント・SQLスキーマ・設定・PDFを「問い合わせ可能なナレッジグラフ」に変換し、Claude Code・Cursor・CodexなどのコーディングエージェントからスキルやCLI、MCP経由で引けるようにするPython製のオープンソースツールである。結論として、大規模リポジトリで「エージェントが毎回ファイルをgrepして全体像を取り違える」問題に対する、ベクトル検索とは別系統の解決策であり、コードの解析はLLMなしでローカル完結する点が実務上の要点になる。

GitHub上の星は2026年10月時点で約13.5万と非常に大きく、AIエージェント向け開発ツールの中でも注目度が高い。公式READMEの記述を元に、仕組み・インストール・料金・既存手法との違いを整理する。

Graphifyとは

リポジトリ内のソースコードをtree-sitterで構文解析し、関数・クラス・呼び出し・importなどの関係をノードとエッジにしてグラフ化する。ドキュメント・PDF・画像などは、使っているエージェントのモデル(または設定したAPIキー)で意味抽出し、同じグラフに統合する。エッジには「ソースに明示されている(EXTRACTED)」か「Graphifyが推論した(INFERRED)」かの印が付き、根拠の強さを区別できる。

項目内容
提供元Graphify-Labs(GitHubリポジトリ Graphify-Labs/graphify)
ライセンスApache-2.0 と MIT のライセンスファイルを同梱(二次情報ではMITとのみ書くものもあり、利用前にリポジトリで確認)
言語・要件Python 3.10以上。インストールはuv推奨(pipx・pipも可)
解析対象約40のプログラミング言語(tree-sitter)、ドキュメント、PDF、画像、音声・動画(faster-whisperでローカル文字起こし)、SQLスキーマ、設定、Terraform/HCL、docx・xlsx
出力graphify-out/ に graph.html・GRAPH_REPORT.md・graph.json
ストレージJSONファイルが基本。ベクトルストア・埋め込みは使わない。Neo4j・FalkorDBへの書き出しは任意
クラスタリングLeiden法(leiden extra未導入時はnetworkxのLouvain)
問い合わせ手段スキル(/graphify)、CLI(query・path・explain)、MCP stdioサーバー、graph.jsonの直接読み取り
対応エージェントClaude Code、Cursor、Codex、Gemini CLI、GitHub Copilot CLI、VS Code Copilot Chat、Aider、OpenClaw、Kiro、Amp、OpenCode、Kilo Codeなど20超+汎用Agent Skills
料金OSS本体は無料。ホスト版「Graphify Cloud」は14日間の無料トライアルのみ公式READMEに記載、有料プランの価格は未公表

何ができるか

機能内容
コードのグラフ化tree-sitterによる決定的な解析。LLMは使わず、コードが外部に出ない
文書・PDF・画像の統合エージェントのモデルかAPIキーで意味抽出し、コードのノードと結ぶ
設計意図の取り込み# NOTE: # WHY: コメントやADR・RFCの引用をノード化し、コードにひも付ける
経路・説明の問い合わせquery(質問)、path(2点間の経路)、explain(1ノードの説明)
増分更新--update で変更分だけ再構築、graphify hook install でGit連携
可視化・レポートgraph.html(インタラクティブ表示)とGRAPH_REPORT.md(要約)
複数グラフの統合graphify merge-graphs で複数リポジトリのグラフを結合
ローカル完結モードGRAPHIFY_BACKEND=none でLLMバックエンド無効、ollama なら意味抽出もローカルで実行
コード・ドキュメント・SQLスキーマ・PDFをGraphifyがナレッジグラフ(graph.json)に変換し、エージェントがスキル・CLI・MCPで問い合わせる流れの図。

インストール・料金

uv tool install graphifyy      # または: pipx install graphifyy / pip install graphifyy
graphify install               # プロジェクト単位にする場合: graphify install --project

PyPI上のパッケージ名は graphifyy(yが2つ)である点に注意。PDF・Office・動画・MCP・SQL・Leidenなどは extras(pdf office video mcp sql leiden all)で追加する。料金はOSS本体が無料で、LLMを使う意味抽出の費用は自分のエージェントのモデルやAPIキーの利用料として別にかかる。ホスト版のGraphify Cloudは常時更新のグラフ、モノレポ・クロスリポジトリ対応、コードレビュー、Sentry・Jira連携をうたい、公式READMEでは「トークン消費を80%削減」と主張しているが、独立した検証は見当たらないため鵜呑みにしない。

使い方(最短手順)

- 1. uv tool install graphifyy でCLIを入れ、graphify install で使っているエージェントにスキルを登録する
- 2. エージェントを開き、プロジェクトのルートで /graphify . を実行してグラフを作る(Codexでは $graphify)
- 3. graphify-out/GRAPH_REPORT.md と graph.html で全体像とコミュニティ(まとまり)を確認する
- 4. 以降は質問のたびに /graphify query や path・explain で引く。コードを変えたら --update で差分だけ更新する

/graphify .
/graphify query "what connects auth to the database?"
/graphify path "UserService" "DatabasePool"
/graphify explain "RateLimiter"
/graphify ./docs --update
graphify hook install

既存ツールとの違い

ツール何を保持・検索するか主な構造LLMの要否向く場面
Graphifyコード・文書・スキーマ・PDFの関係(呼び出し、依存、設計意図)ナレッジグラフ(JSON、任意でNeo4j)コード解析は不要、文書・PDFは必要「AとBはどうつながるか」を大規模リポジトリで辿りたい
素朴なベクトルRAG文書やコードの断片を埋め込みで類似検索ベクトルDB埋め込みモデルが必要曖昧な言い回しの文書検索、FAQ
OpenVikingエージェントの文脈(記憶・資料・スキル)を階層管理コンテキストDB利用形態によるエージェント全体の文脈をまとめて管理したい
Hindsight会話・作業から学んだ記憶エージェントメモリ記憶の抽出に使用過去のやり取りを次回に活かしたい
Serena(MCP)シンボル単位の検索・編集・リファクタ(LSPベース、40超の言語)言語サーバー(グラフではない)不要定義・参照の精密な検索と編集。ライセンスはGPL-3.0-or-later(一部MIT)
Sourcegraph組織横断のコード検索とコードインテリジェンス検索インデックス機能による複数リポジトリの横断検索(ホスト・商用が中心)
akitaonrails/ai-memoryセッション間の引き継ぎ(どこまで進み、何が失敗し、何が残るか)gitバックのMarkdown wiki+SQLiteインデックス(Rust、MIT)既定は不要エージェントを切り替えても作業を続けたい

選び分けの目安は、層で考えると分かりやすい。Graphifyは「コードベースの構造地図」、ai-memoryやHindsightは「作業の記憶・引き継ぎ」、OpenVikingは「文脈全体の置き場」、Serenaは「シンボル単位の精密な検索・編集」である。ai-memoryはコードの関係を解析するツールではなく、セッション間のハンドオフを担う別レイヤーなので、Graphifyと競合せず併用できる。小さなリポジトリならSerenaや通常のgrepで足りることも多く、横断的な依存や設計意図まで辿る必要が出たところでGraphifyが効く。

注意点・向いていない用途

- 文書・PDF・画像の意味抽出ではLLMを使うため、機密文書を扱う場合は送信先(エージェントのモデル/APIキー)を確認する。外部送信を避けるなら GRAPHIFY_BACKEND=ollama か none を使う
- 「トークン80%削減」はGraphify Cloud側の主張で、第三者の検証は未確認。自分のリポジトリで効果を測ってから判断する
- 公式が示すベンチマーク(LOCOMO recall@10 0.497、LongMemEval-S QA 76%など)は主に記憶・QA系の指標で、コーディング成果を直接保証するものではない
- INFERRED(推論)エッジは誤りを含みうる。重要な判断はEXTRACTEDの根拠か実コードで裏取りする
- 星が多い分、Issue・PRも非常に多く(2026年10月時点で数百件ずつ)、挙動やコマンドが頻繁に変わる可能性がある。バージョンを固定して使う
- クエリログが ~/.cache/graphify-queries.log に残る。不要なら GRAPHIFY_QUERY_LOG_DISABLE=1 で止める
- 数十ファイル程度の小規模プロジェクトでは、グラフ構築の手間に見合わないことが多い

エージェントの文脈管理や記憶まわりの関連記事として、OpenViking(エージェント向けコンテキストデータベース)、Hindsight(エージェントメモリ)、archify(エージェントスキルで設計図を描く)もあわせて読むと、各ツールの担当範囲を比べやすい。

よくある質問

Graphifyは無料で使えるか。

OSS本体は無料で、uv・pipx・pipで導入できる。文書やPDFの意味抽出にエージェントのモデルやAPIキーを使う場合は、その利用料が別にかかる。ホスト版のGraphify Cloudは14日間の無料トライアルが公式READMEに載っているが、有料プランの価格は確認できず未公表として扱う。

コードを外部のLLMに送ることになるか。

公式の説明では、コードはtree-sitterでローカル解析し、LLMは使わない。LLMを使うのはドキュメント・PDF・画像などの意味抽出で、GRAPHIFY_BACKEND=none でLLMバックエンドを無効化、ollama を指定すれば意味抽出もローカルで完結する。

どのコーディングエージェントで使えるか。

Claude Code、Cursor、Codex、Gemini CLI、GitHub Copilot CLI、VS Code Copilot Chat、Aider、OpenClaw、Kiro、Amp、OpenCode、Kilo Codeなど20超に対応し、汎用のAgent Skills向けもある。MCP stdioサーバー(mcp extra)経由でも使える。

ベクトルRAGの代わりになるか。

用途が違う。Graphifyは埋め込みやベクトルストアを使わず、呼び出し・依存・設計意図といった関係を辿るのが得意。曖昧な言い回しでの文書検索はベクトルRAGの得意分野なので、置き換えというより補完と考えるのが妥当である。

SerenaやSourcegraphとはどう違うか。

Serenaは言語サーバー(LSP)を使ったシンボル単位の検索・編集ツール、Sourcegraphは組織横断のコード検索基盤で、どちらもグラフを構築して文書やPDFまで統合する用途ではない。Graphifyはコードと文書・スキーマを一つのグラフにまとめて関係を辿る点が異なる。

ai-memoryやHindsightと併用できるか。

役割が別なので併用できる。Graphifyはコードベースの構造地図、ai-memory(Rust製)はセッション間の引き継ぎ、Hindsightは学んだ記憶の保持を担う。どれか一つで全部を賄おうとせず、層ごとに選ぶ。

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