株式会社オブライト
Network2026-02-28

SSL VPNとIPsec VPNの違い|テレワーク・リモートワークに最適なVPN選び

SSL VPNとIPsec VPNのプロトコル構造・セキュリティ・導入コスト・パフォーマンスを徹底比較。テレワークネットワーク環境に最適なVPNの選び方を、フルトンネル・スプリットトンネルの使い分けや推奨製品とともに解説。品川区・大田区・目黒区エリアの企業向けネットワーク構築支援も対応。


テレワークネットワーク環境におけるVPN選定の重要性

テレワークネットワーク環境を構築する際、VPNプロトコルの選定は通信の安全性・利便性・コストに直結する重要な意思決定です。企業向けリモートアクセスVPNの主要方式として「SSL VPN」と「IPsec VPN」の2つがありますが、両者はプロトコルの動作レイヤー、暗号化方式、クライアント導入の容易さ、対応するネットワーク環境が大きく異なります。品川区・大田区・目黒区エリアの企業からも「どちらを選べばよいかわからない」というご相談を多くいただいており、本記事では両プロトコルの技術的な違いと、テレワーク環境ごとの最適な選び方を深掘りして解説します。正しいVPN方式を選ぶことで、セキュリティリスクの低減と従業員の生産性向上を同時に実現できます。

SSL VPNのプロトコル構造と動作原理

SSL VPN(Secure Sockets Layer VPN)は、WebブラウザでHTTPS通信に使われるTLS/SSLプロトコルをVPN通信に応用した方式です。OSI参照モデルのセッション層〜アプリケーション層(レイヤー5〜7)で動作し、TCP 443ポートを使用するため、ほとんどのファイアウォールやプロキシを通過できる利点があります。SSL VPNには「クライアントレス(Webポータル型)」と「フルトンネル(専用クライアント型)」の2つのモードがあります。クライアントレスモードはWebブラウザだけで社内Webアプリケーションやファイル共有にアクセスでき、端末にソフトウェアをインストールする必要がありません。フルトンネルモードではFortiClientやCisco AnyConnectなどの専用クライアントをインストールし、すべてのトラフィックをVPN経由で暗号化します。TLS 1.3を使用する最新のSSL VPN実装では、ハンドシェイクの高速化と前方秘匿性(PFS)が標準で提供されます。

IPsec VPNのプロトコル構造と動作原理

IPsec VPN(Internet Protocol Security VPN)は、OSI参照モデルのネットワーク層(レイヤー3)で動作するプロトコルで、IPパケットそのものを暗号化・認証します。IPsecはIKE(Internet Key Exchange)フェーズ1でセキュリティアソシエーション(SA)を確立し、フェーズ2でデータ転送用のSAをネゴシエーションする2段階の鍵交換プロセスを経ます。暗号化にはESP(Encapsulating Security Payload)プロトコルが使用され、トランスポートモード(ペイロードのみ暗号化)とトンネルモード(IPヘッダごと暗号化)の2つのモードがあります。IPsec VPNはネットワーク層で動作するため、TCPだけでなくUDP・ICMP・GREなどすべてのIPプロトコルをトンネル化できる強みがあります。一方で、NATトラバーサル(NAT-T)が必要な環境ではUDP 4500ポートの追加開放が必要となり、企業のファイアウォールやホテル・カフェの公衆Wi-Fiで通信がブロックされるケースがあります。

セキュリティレベルの比較:暗号化強度と認証方式

セキュリティ強度の観点では、SSL VPNとIPsec VPNは同等レベルの暗号化を実現できます。SSL VPNはTLS 1.3でAES-256-GCMとChaCha20-Poly1305をサポートし、鍵交換にはECDHE(楕円曲線ディフィー・ヘルマン鍵共有)を使用して前方秘匿性を確保します。IPsec VPNはIKEv2でAES-256-CBC/GCM、SHA-256/SHA-384認証、DH Group 19/20(ECP 256/384)に対応し、同様に高い暗号化強度を実現します。認証方式では、SSL VPNはクライアント証明書・LDAP・RADIUS・SAML連携が容易で、クラウドIDaaS(Azure AD、Okta等)との統合に優れています。IPsec VPNは事前共有鍵(PSK)またはX.509証明書による認証が主流で、拠点間VPNでの利用に特に適しています。実際のセキュリティ差は、プロトコルそのものよりも、鍵長・認証方式・パッチ管理の運用品質に依存する部分が大きいのが実情です。

導入の容易さとクライアント管理の比較

導入の容易さは、テレワーク環境でVPN方式を選ぶ際の重要な判断基準です。SSL VPNの最大の利点は、クライアントレスモードならWebブラウザだけで接続でき、端末側のソフトウェアインストールが不要な点です。BYOD(個人端末利用)環境や、管理下にない協力会社のPCからアクセスする必要がある場合、SSL VPNのクライアントレスモードが最も導入障壁が低くなります。一方、IPsec VPNは必ず専用クライアントソフトが必要で、OS標準のVPN機能を利用する場合でもL2TP/IPsecの設定が必要です。Windows・macOS・iOS・AndroidそれぞれでVPN設定手順が異なるため、ITリテラシーの低い従業員への展開ではサポートコストが増大する傾向があります。FortiClient(SSL VPN・IPsec両対応)やCisco AnyConnect(SSL VPN中心、IPsecも対応)を使えば、統一的なクライアント管理が可能です。品川区・大田区・目黒区の中小企業では、導入の容易さからSSL VPNを選択するケースが多く見られます。

パフォーマンス比較:スループットとレイテンシ

パフォーマンスの観点では、一般的にIPsec VPNがSSL VPNよりもスループットで優位です。IPsecはネットワーク層で動作するため、TCPオーバーヘッドが少なく、UDP上でのESPパケット転送により効率的なデータ通信が可能です。SSL VPNはTCP上で動作するため、TCPの再送制御が二重に発生する「TCP-over-TCP」問題が生じ、パケットロスの多い環境でパフォーマンスが著しく低下することがあります。ただし、最近のSSL VPN製品ではDTLS(Datagram TLS)をサポートしUDP上でのSSL VPN通信を実現するものも増えており、Cisco AnyConnectのDTLSモードは従来のTCPベースSSL VPNに比べて30〜50%のスループット向上が報告されています。FortiGateのSSL VPNではDTLSモードを有効化でき、Palo Alto GlobalProtectもIPsec優先・SSL VPNフォールバックの構成が可能です。レイテンシに関しては、IPsecのIKEネゴシエーションに1〜3秒かかるのに対し、SSL VPNのTLSハンドシェイクは0.5〜1秒程度と接続確立は高速です。

フルトンネルとスプリットトンネルの使い分け

VPN接続におけるトンネルモードの選択は、セキュリティと通信効率のバランスに大きく影響します。フルトンネルはすべてのトラフィックをVPN経由で送信する方式で、インターネットアクセスも含めて社内のセキュリティポリシーを適用できるため、情報漏洩防止の観点で最も安全です。一方、Microsoft 365やZoomなどのクラウドサービスの通信もVPN経由となるため、VPNゲートウェイの帯域を圧迫し、通信速度の低下やVPN障害時の業務停止リスクがあります。スプリットトンネルは社内リソース宛の通信のみVPN経由とし、インターネット通信は端末から直接行う方式で、VPN帯域を大幅に節約できます。Microsoft社はMicrosoft 365の利用においてスプリットトンネルを公式推奨しており、Teamsの音声・映像トラフィックをVPN外に出すことで品質向上が見込めます。テレワークネットワーク環境の最適化には、アクセス先に応じてフルトンネルとスプリットトンネルを動的に切り替えるポリシーベースルーティングの活用が効果的です。

コスト比較:ライセンス費用・運用コスト・TCO

SSL VPNとIPsec VPNのコスト比較では、製品選定によって大きく変わりますが、一般的な傾向を把握しておくことが重要です。SSL VPNはクライアントレスモードなら追加ソフトウェア費用がゼロで、VPNゲートウェイ側のライセンスのみで運用可能です。FortiGateのSSL VPNライセンスは同時接続数に応じた課金で、10同時接続なら追加ライセンス不要(標準搭載)、50同時接続で5〜10万円程度の追加です。Cisco AnyConnect(SSL VPN)はPlus/Apex/VPNOnlyの3つのライセンスがあり、VPNOnlyで1ユーザーあたり年間約2,000〜3,500円です。IPsec VPNは拠点間接続では追加ライセンスが不要な製品が多いですが、リモートアクセス用途ではSSL VPNと同等のライセンスが必要です。運用コストの観点では、SSL VPNはクライアント管理が容易なため、IT担当者の工数が少なく済む傾向があります。TCO(総所有コスト)で比較すると、30名規模のテレワーク環境で3年間運用した場合、SSL VPN構成は100〜250万円、IPsec VPN構成は120〜300万円が目安となります。

利用シーン別:SSL VPNとIPsec VPNの最適な選び方

具体的な利用シーンに基づいて、どちらのVPN方式が最適かを整理します。テレワーク・在宅勤務のリモートアクセス用途では、導入の容易さとファイアウォール通過性に優れたSSL VPNが第一選択です。特にBYOD環境や社外の協力会社からのアクセスが必要な場合は、SSL VPNのクライアントレスモードが有効です。本社と支社・データセンター間の拠点間VPNでは、全IPプロトコル対応とスループット性能に優れたIPsec VPNが適しています。VoIP(IP電話)やビデオ会議のリアルタイム通信が多い環境では、UDPベースのIPsec VPNまたはDTLS対応のSSL VPNを選択しましょう。高セキュリティ要件の金融・医療業界では、クライアント証明書認証とIPsec VPNの組み合わせが推奨されます。品川区・大田区・目黒区のIT企業やスタートアップでは、初期導入コストの低いSSL VPNから始めて、拠点拡大時にIPsec VPNを追加するハイブリッド構成を採用する企業も増えています。

推奨製品とテレワークネットワーク環境の最適化Tips

テレワークネットワーク環境を最適化するための推奨製品と実践的なTipsをご紹介します。FortiGate 60F/80Fは、SSL VPN・IPsec VPNの両方を1台でサポートし、SD-WAN機能も搭載しているため中小企業に最適です。Cisco Meraki MXシリーズはクラウド管理型で、IT担当者が少ない企業でもリモートから容易に管理でき、Auto VPN機能で拠点間IPsec VPNを自動構築できます。VPN接続の安定性向上には、クライアント側のMTU値を1400バイトに設定してフラグメンテーションを防止する、DNS設定を社内DNSサーバーに向けて名前解決を高速化する、Keep-Alive間隔を30秒に設定して接続断を早期検知するといった施策が有効です。テレワークネットワーク環境では、VPNだけでなくインターネット回線の品質も重要で、従業員の自宅回線が不安定な場合はモバイルルーターの貸与やポケットWi-Fiの法人契約を検討しましょう。

品川区・大田区・目黒区の企業向けVPN選定・構築は株式会社オブライトへ

株式会社オブライトでは、品川区を拠点に大田区・目黒区・港区・渋谷区・世田谷区をはじめとする東京都内の企業様に対し、SSL VPN・IPsec VPNの選定コンサルティングからネットワーク設計・導入・運用保守までトータルに支援しています。お客様の業務内容・従業員数・セキュリティ要件・予算を丁寧にヒアリングし、最適なVPN方式と製品をご提案します。FortiGate・Cisco・Palo Altoなど主要ベンダーの製品に精通しており、SSL VPNとIPsec VPNのハイブリッド構成やSD-WAN連携など高度な構成にも対応可能です。テレワークネットワーク環境の新規構築や見直しをお考えの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。初回のヒアリング・提案は無料で承っております。

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