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株式会社オブライト
AI2026-08-07約7分で読めます

TypeWhisper とは — ローカル完結の音声入力アプリ、Mac/Win対応

TypeWhisperはローカル完結のプライベート音声入力アプリ。ホットキーを押して話すだけで確定テキストをカーソル位置のアプリへ直接挿入する。macOS版はSTABLE 1.5、Windows版はSTABLEで、コアは無料オープンソース。テレメトリなし、機密情報を外部サーバーに送らずに使える点が特徴だ。


TypeWhisper公式サイト)は、デスクトップ上でローカルに音声認識を実行する音声入力(speech-to-text)アプリである。macOS版はSTABLE 1.5、Windows版はSTABLE、iOS版はALPHAとして提供されており、Made in Germanyのプロダクトである。グローバルホットキーを押して話すだけで、確定したテキストがカーソル位置のアプリに直接挿入される、システム全域のディクテーションツールだ。

何ができるか — ホットキーで話すだけの体験

TypeWhisperの基本的な使い方はシンプルである。あらかじめ設定したグローバルホットキーを押し、話しかけると、音声がローカルで認識され、確定テキストとしてカーソルのある位置——メールソフト、チャット、ドキュメント、ブラウザのフォームなど、OS上のどのアプリであっても——に直接挿入される。特定のアプリを開く必要はなく、いま作業しているウィンドウにそのまま文字が入力される。

- システム全域の音声入力: グローバルホットキーを押して話すだけで、カーソル位置のアプリに確定テキストを直接挿入
- ファイルの文字起こし: 音声ファイルを読み込んでテキスト化
- ワークフロー: ドラッグ&ドロップでの処理順並べ替え、指定フォルダを監視する自動ジョブ
- 辞書・スニペット・履歴: よく使う語句や定型文を登録し、変換履歴を確認
- エンジン上書き: ディクテーションごとに認識エンジン・モデルを個別に切り替え
- ローカルHTTP API: 外部ツールとの自動化連携

音声入力やファイルの文字起こし以外にも、複数のグローバルホットキーを併用したり、ローカルHTTP APIを使って外部ツールと連携させたりすることができる。

1.5では、開いているアプリを認識して挙動を変えるアプリ認識ディクテーション、辞書の学習機能、ローカルモデルのメモリ保持、クラウドASRへのアップロード、フルスクリーンインジケータなどが強化された。

インストールと料金 — コアは無料OSS、プレミアムはCommercial licenseのみ

TypeWhisperはローカルファーストを掲げており、音声認識はデスクトップ上でローカルに実行される。テレメトリなし・サブスクリプションなし・クラウド必須の依存関係なしで動作し、コア部分はオープンソースとして公開されている(GitHub 1.8kスター)。コアアプリ自体は無料で、誰でもソースコードを確認・利用できる。

有料メニューはCommercial license(買い切り型の商用ライセンス)のみで、サブスクリプション型の課金モデルは採用していない。このライセンスで解放される機能は主に2つである。1つはCloud Folder Syncで、自分が管理するiCloud Drive、Dropbox、OneDrive、Syncthingなどのクラウドストレージを使って辞書やスニペットを端末間で同期できる機能だ。TypeWhisper独自のアカウント作成は不要で、同期経路も自分の既存ストレージをそのまま使う設計になっている。もう1つはAutomatic Correction Learningで、テキスト挿入後に確信度の高い修正(人名や専門用語、繰り返されるタイポなど)を学習し、次回以降の変換に自動反映する機能である。これらの有料機能を使わなくても、コアアプリはローカルファーストの音声入力ツールとしてそのまま無料で利用できる。

プラグインとエンジン — Groq・NVIDIA Parakeet TDT、SDKでの拡張

TypeWhisperはプラグインハブを持ち、公式プラグイン・コミュニティプラグイン・手動追加のプラグインを組み合わせて認識エンジンを拡張できる。付属のSDKを使えば、自作のプラグインを開発することも可能だ。代表的なプラグインとしては、LPU(Language Processing Unit)による超高速なクラウド文字起こし・LLM処理を提供するGroq、そしてApple Silicon向けに最適化されたローカル文字起こしエンジンであるNVIDIA Parakeet TDT(同梱)がある。クラウドの処理速度を選ぶか、端末内で完結する処理を選ぶかを、用途に応じてプラグイン単位で切り替えられる構成になっている。

既存の選択肢との違い

音声入力の選択肢は大きく「OS標準の音声入力」「クラウド型の音声認識サービス」「TypeWhisperのようなローカルファースト型アプリ」に分けられる。それぞれの特徴を整理すると、以下のようになる。

比較軸OS標準の音声入力クラウド型音声認識サービス一般TypeWhisper
処理場所・プライバシーOSに準ずる(一部クラウド送信を伴う場合あり)音声データを外部サーバーへ送信するのが一般的ローカルで音声認識を実行、テレメトリなし
アプリ横断でのテキスト挿入対応OS・対応アプリの範囲内サービスやAPI連携の実装次第グローバルホットキーでOS全域のカーソル位置に挿入
辞書・修正の学習機能は限定的サービスによる辞書学習・Automatic Correction Learningに対応(一部Commercial)
料金モデルOS購入・利用料に含まれる多くはサブスクリプション課金コア無料・買い切り型Commercial licenseで機能拡張
拡張性基本的に非公開サービス側のAPI範囲内プラグインハブ+SDKで自作エンジンを追加可能

誇張せず事実として言えるのは、TypeWhisperがローカル処理を基本にしつつ、Groqのようなクラウド系プラグインも選択肢として用意している点、そして買い切り型のCommercial licenseという料金モデルを採っている点である。どの選択肢が適するかは、扱う情報の機密性や、必要な処理速度、既存のワークフローとの相性によって変わる。

機密を扱う業務での意味

議事録の下書き、顧客名や案件名を含む社内メモ、契約条件に触れるやり取りなど、外部に出したくない情報を音声で入力する場面は少なくない。クラウド型の音声認識サービスを使う場合、音声データが外部サーバーに送信される構成が一般的であり、その取り扱いはサービスの規約やインフラに依存する。TypeWhisperはローカルで音声認識を実行する構成を基本としているため、そうしたデータを外部サーバーに送らない選択肢として使える場面がある。もちろん、Groqのようなクラウド系プラグインを併用すればその限りではなく、どのエンジンを使うかは用途に応じて選ぶ設計になっている。

同様にApple Siliconでのローカル文字起こしを扱う近縁ツールとしては、Qwen Scribe(ローカル文字起こし)もある。文字起こしを主眼とするか、システム全域への音声入力を主眼とするかで、選ぶツールの軸が変わってくる。

TypeWhisperは無料で使えますか?

コアアプリは無料でオープンソースとして公開されている。ローカルファーストでの音声入力・文字起こし・ワークフロー・履歴・辞書・スニペットといった基本機能は無料の範囲で利用できる。Cloud Folder SyncとAutomatic Correction Learningの2機能のみ、買い切り型のCommercial licenseが必要になる。

対応OSは何ですか?

macOS版はSTABLE 1.5、Windows版はSTABLE、iOS版はALPHAとして提供されている。macOSとWindowsは安定版、iOSは開発初期段階の位置づけである。

音声データはクラウドに送信されますか?

基本構成ではローカルで音声認識を実行し、テレメトリは行われない。ただし、Groqなどクラウド系のプラグインを導入し利用する場合は、そのプラグインの処理経路に応じてクラウドへの送信が発生する。どのエンジンを使うかはプラグイン単位で選択できる。

サブスクリプションはありますか?

ない。有料メニューはCommercial licenseのみで、買い切り型の課金モデルを採っている。

認識エンジンは変更できますか?

プラグインハブから公式・コミュニティ・手動追加のプラグインを選んで切り替えられる。Groq(クラウド・LPUによる高速処理)やNVIDIA Parakeet TDT(Apple Silicon最適化のローカル処理、同梱)などが選択肢としてあり、SDKを使えば自作のプラグインを追加することも可能である。

まとめ

TypeWhisperは、グローバルホットキーで話すだけでカーソル位置に直接テキストを挿入する、ローカルファーストの音声入力アプリである。コアは無料のオープンソースで、テレメトリなし・サブスクリプションなしという構成を採る一方、Cloud Folder SyncとAutomatic Correction Learningの2機能だけを買い切り型のCommercial licenseで提供している。プラグインハブによりGroqのようなクラウド系エンジンも選択肢に加えられるため、処理速度を優先するか、ローカル処理を優先するかを場面ごとに選べる点が特徴といえる。

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