LFM2.5-2.6B 徹底解説
オンデバイス・エージェント特化モデルの必要スペックとVRAM【2026年8月最速レビュー】
Liquid AIが2026年8月公開したオンデバイス・エージェント特化モデル「LFM2.5-2.6B」を解説。パラメータ2.69B、メモリ2.5GB未満、128Kコンテキスト、ToolSandboxでQwen3.5-9Bを上回った公表値、量子化別メモリ目安、実測速度、ライセンス、動かし方まで網羅する。
Liquid AIは2026年8月4日、パラメータ数約2.69B(2.6B)のオンデバイス・エージェント特化モデル「LFM2.5-2.6B」を公開した。公式のメモリフットプリントは2.5GB未満に抑えられており、スマートフォンやRaspberry Pi級の小型機でも動作すると報じられている。ライセンスはApache 2.0ではなく独自の「LFM1.0ライセンス」であり、商用利用の可否は公式ライセンス本文の確認が必要だ。同社はすでにLiquid AI 日本語特化2モデル徹底解説で日本語特化モデルを公開しており、LFM2.5-2.6Bはそのラインの汎用エージェント版という位置付けになる。
必要スペック早見表
| 精度/量子化 | メモリ目安 | ディスク目安 | 想定用途 |
|---|---|---|---|
| FP16/BF16 | 約5.4GB | 約5.4GB | 高精度推論・ファインチューニング検証 |
| GGUF Q8_0 | 約2.8GB | 約2.9GB | 品質重視のローカル実行 |
| GGUF Q4_K_M | 1.6〜2.0GB | 約1.6GB | 標準的なオンデバイス実行 |
| 公式配布(量子化込み) | 2.5GB未満 | 非公開 | スマートフォン・エッジデバイス |
FP16/Q8_0/Q4_K_M列はパラメータ数2.69Bから算出した一般的な量子化サイジングの目安であり、実際のメモリ使用量は推論エンジンやコンテキスト長設定によって変動する。Liquid AIが公表している「2.5GB未満」という数値は同社配布形態における実測値であり、スマートフォンやRaspberry Pi級デバイスでの動作報告と整合する。
LFM2.5-2.6B とは — オンデバイス・エージェントという設計思想
LFM2.5-2.6Bは30層構成で、22層の double-gated short convolution ブロックと8層の GQA(Grouped Query Attention)を組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを採用する。コンテキスト長は131,072トークン(128K)、語彙数は128,000で、約34兆トークンで学習されている。対応言語は英語・アラビア語・中国語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語・ベトナム語・タイ語・インドネシア語・ヒンディー語・ロシア語・ポーランド語の16言語で、日本語も含まれる。設計思想はクラウド依存を前提とせず、ツール呼び出しやマルチステップ実行、Web検索といったエージェント用途をデバイス上で完結させる点にある。
ベンチマーク — 4倍サイズのモデルを上回った主張
| モデル | パラメータ数 | ToolSandboxスコア |
|---|---|---|
| LFM2.5-2.6B | 2.69B | 77.83 |
| Qwen3.5-9B | 9.7B | 76.44 |
Liquid AIはToolSandboxベンチマークにおいて、約4倍のサイズを持つQwen3.5-9B(76.44)をLFM2.5-2.6B(77.83)が上回ったと発表している。比較対象にはGemma-4-E2B(5.1B)、Gemma-4-E4B(8B)、Qwen3.5-4B(4.7B)も含まれ、指示追従系のベンチマークではいずれのモデルに対してもリードしていると同社は主張する。ただし個別スコアの詳細は公表資料の内容に限られ、第三者による独立検証は確認されていない。導入判断の際は自社ユースケースでの実測評価を併用することが望ましい。
実測スループット
| 実行環境 | 速度 |
|---|---|
| Apple M5 Max(デコード) | 220 tokens/秒 |
| AMD Ryzen AI Max+ 395(CPU) | 113 tokens/秒 |
| スマートフォン | 約30 tokens/秒 |
| GPU高並列実行 | 約15,000 output tokens/秒 |
動かし方
- Ollama: コマンド一発で導入できる手軽さが強み。エージェントの試作や個人利用向き
- LM Studio: GUIでモデル管理・チャット検証ができ、非エンジニアでも扱いやすい
- llama.cpp: GGUF形式を直接利用でき、CPU実行や組み込み用途に適する
- MLX: Apple Silicon向けに最適化されており、Macでの高速推論に向く
- vLLM / SGLang: サーバーサイドでの高スループット・多並列処理が必要な場合に選択
配布形式はTransformersネイティブ、GGUF(llama.cpp用)、ONNX、MLX(Apple Silicon向け)の4種類が用意されており、実行環境に応じて選択できる。サーバー用途ではvLLMやSGLang、ローカル用途ではllama.cpp・LM Studio・Ollama・Transformersが対応する。
ライセンスと商用利用の注意
LFM2.5-2.6BはApache 2.0のような汎用オープンソースライセンスではなく、Liquid AI独自の「LFM1.0ライセンス」の下で配布されている。商用利用の可否や条件(利用規模による制限、再配布条件など)はライセンス本文によって定められるため、業務での採用を検討する場合は必ず公式ライセンス文書を確認し、必要に応じて法務部門にレビューを依頼することを推奨する。
実務での使いどころと限界
- 向いている用途: ツール呼び出しを伴うエージェントタスク、マルチステップの業務フロー実行、Web検索連携、構造化データ抽出、軽量なRAGのオンデバイス実装
- メモリ制約下の導入: 2.5GB未満のフットプリントを活かし、スマートフォンやエッジデバイス、Raspberry Pi級の小型機での常駐実行が可能
- 限界: 2.69Bというパラメータ数の制約上、複雑な多段推論や広範な知識を要するタスクでは大規模モデルに劣る場面がある
- 検証の必要性: ベンチマーク値はLiquid AI公表値であり第三者検証は確認されていないため、本番導入前に自社データでの評価を行うべき
よくある質問
LFM2.5-2.6BはVRAM何GBあれば動きますか。
GGUF Q4_K_M量子化であれば1.6〜2GB程度が目安で、公式配布の量子化モデルは2.5GB未満のメモリフットプリントとされる。FP16/BF16で高精度実行する場合は約5.4GB程度を見込む必要がある。
Apache 2.0ライセンスですか。
いいえ。Apache 2.0ではなくLiquid AI独自の「LFM1.0ライセンス」で配布されている。商用利用の条件は公式ライセンス本文の確認が必要。
日本語には対応していますか。
対応している。英語・中国語・韓国語などを含む16言語に日本語が含まれる。
どのくらいの速度で動きますか。
公表値ではApple M5 Maxでのデコードが220 tokens/秒、AMD Ryzen AI Max+ 395のCPU実行で113 tokens/秒、スマートフォン上で約30 tokens/秒とされる。GPUでの高並列実行時は約15,000 output tokens/秒に達するという。
ベンチマークの数値は信頼できますか。
ToolSandboxでQwen3.5-9Bを上回ったとする数値はLiquid AI自身の公表値であり、第三者による独立検証は確認されていない。導入判断には自社ユースケースでの実測評価を併用することが望ましい。
まとめ
LFM2.5-2.6Bは、2.5GB未満という小さなメモリフットプリントと128Kの長いコンテキスト長を両立させたオンデバイス・エージェント特化モデルである。ToolSandboxベンチマークでは自社比較においてQwen3.5-9Bを上回ったと公表されており、ツール呼び出しやマルチステップ実行を伴う軽量エージェント用途の選択肢として注目に値する。同クラスのモデルを検討する際は、Gemma 4 E4B完全ガイドやQwen3.5-9B×RAGで社内ナレッジ検索を構築も合わせて比較することで、用途に応じた最適なモデル選定がしやすくなる。ライセンス条件の確認と自社データでのベンチマーク検証を行った上で、本番導入の判断を進めることが望ましい。
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