本文へスキップ
株式会社オブライト
AI2026-08-19約9分で読めます

MiniMax-Music3 requirements:VRAM要件とAPI新規受付終了を解説

MiniMax-Music3は32kHz・16bit・ステレオWAVで最大5分の楽曲を生成するオープンウェイトモデル。24GB以上のVRAMを標準想定し、CPUオフロードで約22GB、層ストリーミングで8GBまで動作範囲を広げられる。2026年8月時点の公開情報をもとに、動作要件・ライセンス・有料APIの新規受付終了(2026年8月20日〜)までを整理する。


MiniMax-Music3とは何か

MiniMax AIは2026年8月7日にHugging Face上で「MiniMaxAI/MiniMax-Music3」というtext-to-audioモデルのリポジトリを作成し、2026年8月14日を最終更新として重みを公開した(main ブランチの合計サイズは57.4GB)。これはオープンウェイトの音楽生成モデルであり、構造化されたキャプションとセクションタグ付きの歌詞を入力すると、32kHz・16bit・ステレオのWAVで最大5分のフル楽曲を出力する。同時期、MiniMax公式ドキュメントは有料の音楽生成APIについて2026年8月20日以降の新規ユーザー受付を停止すると告知しており、この記事では「オープンウェイトを自分の環境で動かす」ための動作要件と、そのAPI事情の両方を、公開情報の範囲でまとめる。ローカルで大規模生成AIを動かす検討という意味では、動画生成モデルのMiniMax H3(../columns/minimax-h3-requirements-vram-local-2026)やLTX-2.5(../columns/ltx-2-5-requirements-vram-local-2026)のVRAM要件記事とも比較しながら読むと判断材料になる。

スペック早見表

項目内容
配布元Hugging Face MiniMaxAI/MiniMax-Music3(text-to-audio)
公開時期リポジトリ作成2026-08-07、最終更新2026-08-14
合計サイズmain ブランチ 57.4GB
出力形式32kHz・16bit・ステレオ WAV
最大長5分
アーキテクチャ規模(README内訳)Global LLM 8B + Local LLM 0.6B + Flow Matching 2.4B + Flow-VAE Decoder 123M
HFメタデータ表示"2B params"(README本文の内訳合計とは一致しない)
推論要件CUDA必須(Apple Silicon/MPSの公式動作案内なし)
ストリーミング生成現状非対応(生成完了まで待つ方式)
推奨推論フレームワークSGLang / diffusers / ComfyUI
ライセンスMiniMax-Music3 Community License(独自ライセンス、商用利用可)

アーキテクチャ

README原文の要旨によると、MiniMax-Music3は階層型の自己回帰システムで、「8Bの Global LLM(長期的な楽曲構造を担当)」と「0.6Bの Local LLM(フレーム単位の音響ディテールを担当)」を、Flow MatchingとFlow-VAEによる連続隠れ状態の合成と組み合わせている。具体的にはGlobal LLM(8B)がRVQの第1コードブックをフレームごとに予測し、Local LLM(0.6B)が各フレーム内の残りの音響コードブックを予測する。Flow Matchingは2.4B、Flow-VAE Decoderは123Mとされる。一方でHugging Face上のモデルカードのmetadataでは"2B params"という表示になっており、README本文の内訳(8B+0.6B+2.4B+123M)とは数字が一致しない。この不一致がどちらの表記ミスに由来するのかは公開情報からは確認できず、本記事では事実としてこの食い違いがある、という点のみを記載する。

VRAM別の現実的な選択肢

VRAM目安動作方法出典・備考
24GB以上README掲載の標準実行例「The snippet below fits 24GB+ VRAM GPUs.」
約22GB自動CPUオフロードを併用「With automatic CPU offloading, generation takes in ~22 GB」
8GB言語モデルを層ごとにストリーミング「additionally streaming the language model layer by layer makes it fit even 8 GB video cards」
低VRAM向け(数値未記載)ComfyUI経由でint8_convrot重み+tiled_decodeComfy-Org/MiniMax-Music-3公式チュートリアル。tiled_decodeはVRAM削減に有効だが、タイル境界にわずかな継ぎ目(seams)が出る場合があると明記されている

README には生成速度のベンチマーク(何分の曲が何秒で生成できるか)の記載はなく、GPUごとの所要時間は公開情報からは確認できない。VRAMの少ない環境ほど処理は遅くなると考えるのが自然だが、これは一般論であり本モデル固有の実測値ではない点に注意したい。同じ「動作する最低ラインを探す」検討軸では、ローカル推論エンジンの比較記事(../columns/local-llm-inference-engine-comparison-2026)も参考になる。

入力の書き方

MiniMax-Music3への入力は2種類ある。1つは構造化された音楽キャプションで、Global Metadata・Vocal Details・Arrangementといったセクションを持つ形式。もう1つは歌詞で、[Intro] [Verse] [Chorus] [Bridge] [Instrumental] [Outro] などのセクションタグを付けて記述する。以下はセクションタグの付け方の一例である。

[Intro]
(instrumental)

[Verse]
夜の街を歩きながら
見上げた空に星ひとつ

[Chorus]
止まらない この鼓動が
未来へと 導いてゆく

[Bridge]
静かな声で ささやいた言葉

[Outro]
(fade out)

ComfyUIで試す場合

公式チュートリアルのComfy-Org/MiniMax-Music-3では、DiTのfp16/fp32/int8_convrot(低VRAM向け)、text encoderのbf16/pruned bf16/pruned int8_convrot、そしてVAE(dav)といった複数の重みが配布されている。tiled_decodeオプションを使うとVRAM使用量を大きく削減できるが、タイル境界にわずかな継ぎ目(seams)が出る場合があると公式に明記されている。ワークフローのテンプレート既定値は60秒、最大は約5分(300秒)で、「長い曲ほど時間もVRAMも多く消費する」とされる。出力はComfyUI/output/audio/にMP3で保存される。なお、Comfy-Org側のREADMEには各重みファイルのGB表記は記載されていない。

ライセンスの読みどころ

MiniMax-Music3は「MiniMax-Music3 Community License」という独自ライセンスで配布されており、Apache 2.0やMITではない。商用利用は可能だが、商用製品・サービスのUI上に「MiniMax-Music3」を目立つ形で表示する義務がある(ライセンス原文:「You shall prominently display 'MiniMax-Music3' on the user interface of commercial product or service that uses the Software.」)。また、年間売上が2,000万米ドルを超える場合は、api@minimax.ioへ件名「MiniMax-Music3 licensing - authorization request」で連絡し、事前の書面による個別許諾を得る必要がある。ライセンスには悪用防止のセーフガード実装義務と、19カテゴリの禁止用途を定めたAcceptable Use Policyも含まれる。LICENSE本文に地域制限(米国・EU除外など)の記載は見当たらなかった。

API終了告知が意味すること

MiniMax公式ドキュメントは次のように告知している。「Starting August 20, 2026, the paid APIs (Music Generation and Lyrics Generation) will no longer be available to new users; existing paying users can continue to use the current API services. The free music generation APIs (Music-3.0-free, Music-2.6-free, music-cover-free) will be discontinued.」つまり2026年8月20日以降、有料の音楽生成・歌詞生成APIは新規ユーザーには提供されなくなる(既存の有料ユーザーは継続利用可)。無料枠(Music-3.0-free / Music-2.6-free / music-cover-free)は廃止される。これから新規に使い始める場合、実質的な選択肢は「MiniMax Audio(提供元のサービス)を使う」か「オープンウェイトをローカルで動かす」の2択になる。なお、第三者メディアは「1生成あたり$0.15(最大5分)」という価格を報じているが、これは公式ドキュメントの当該ページには記載がない第三者情報であり、公式では確認できていない点として扱う必要がある。

公開情報から確認できないこと

- 対応言語の公式な一覧(README に明示的な列挙はない。日本語ボーカル対応という報道はあるが公式一次情報では未確認)
- 具体的な生成速度ベンチマーク(GPU別の秒数)
- 学習データの内訳・出所
- HFメタデータの"2B params"表示とREADME本文の内訳(8B+0.6B+2.4B+123M)が食い違う理由
- 第三者メディアが報じる「1生成あたり$0.15」という価格の公式裏付け

よくある質問

MiniMax-Music3はどのくらいのVRAMがあれば動きますか。

README掲載の標準実行例は24GB以上のVRAMを想定しています。自動CPUオフロードを使うと約22GBまで下がり、言語モデルを層ごとにストリーミングすればさらに8GBのGPUでも動作するとされています。ComfyUI経由でint8_convrot重みとtiled_decodeを使う方法もありますが、こちらは具体的なGB数値が公開されていません。

Apple SiliconのMacでも動きますか。

README には「Inference requires CUDA」と明記されており、Apple Silicon(MPS)での公式な動作案内はありません。

生成できる楽曲の長さと形式は。

最大5分のフル楽曲を、32kHz・16bit・ステレオのWAVで生成します。ComfyUIワークフローのテンプレート既定値は60秒です。

商用利用はできますか。

MiniMax-Music3 Community Licenseのもとで商用利用は可能です。ただし商用製品・サービスのUI上に「MiniMax-Music3」を目立つ形で表示する義務があり、年間売上が2,000万米ドルを超える場合はMiniMaxへの事前連絡と個別許諾が必要です。

有料APIはもう使えなくなるのですか。

MiniMax公式ドキュメントによれば、2026年8月20日以降、有料の音楽生成・歌詞生成APIは新規ユーザーには提供されなくなります。既存の有料ユーザーは継続利用できますが、無料枠(Music-3.0-free等)は廃止されます。

この記事に関連する無料ツール(登録不要・その場で結果)

お気軽にご相談ください

お問い合わせ