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株式会社オブライト
AI2026-07-20約10分で読めます

NVIDIA Nemotron 3 必要スペック早見表

Nano/Super/Ultra のVRAM・GPU構成・量子化別メモリ【2026年版オープンウェイト】

Nemotron 3 Nanoは4-bitで約18GB、Superは8×H100-80GB、UltraはNVFP4で4×B200が公式の目安。NVIDIAのオープンウェイトMoE 3モデルの必要VRAM・GPU構成・量子化別メモリを早見表で整理する。2026年7月時点。


Nemotron 3の必要メモリは Nano 約18GB / Super 約69GB / Ultra 約317GB(4-bit級)

NVIDIAのオープンウェイトモデル Nemotron 3 は Nano(31.6B総/約3.2Bアクティブ)・Super(120B総/12Bアクティブ)・Ultra(550B総/55Bアクティブ)の3モデル構成で、4-bit級の量子化(NVFP4)での推論メモリはそれぞれ約18GB・約69GB・約317GBが目安になる。BF16フル精度では約73GB・約276GB・約1.27TBに跳ね上がる。いずれもMoE(Mixture-of-Experts)だがアクティブパラメータが小さいだけで、推論時は全エキスパートの重みを保持するため、必要メモリは総パラメータ数で決まる点に注意したい。

実務上の結論を先に書くと、Nanoはコンシューマ向けGPU 1枚で動くが、SuperとUltraはデータセンター級GPUの複数枚構成が前提である。以下、モデル別に整理する。

モデル別 必要メモリ早見表(量子化別・推定)

モデル総パラメータ/アクティブNVFP4・4-bitFP8BF16
Nemotron 3 Nano31.6B / 約3.2B約18GB約36GB約73GB
Nemotron 3 Super120B / 12B約69GB約138GB約276GB
Nemotron 3 Ultra550B / 55B約317GB約633GB約1,265GB(約1.27TB)

上表はモデル重みの容量に約15%の推論オーバーヘッド(KVキャッシュ・アクティベーション等)を加えた概算である。Nemotron 3は最大1Mトークンのコンテキストに対応するが、長大なコンテキストを実際に使う場合はKVキャッシュがこの見積もりを大きく超えて増えるため、公式のモデルカードでもデフォルト設定は262,144トークン(256k)に抑えられている。

NVIDIA公式が示すGPU構成

推定値だけでなく、NVIDIAとvLLMが公式に提示している動作構成も押さえておきたい。こちらが実運用時の確実な基準になる。

モデル精度公式に示されたGPU構成
SuperBF168×H100-80GB(最小要件)
SuperNVFP4単体のB200、またはDGX Spark
UltraBF168×B200/GB200/GB300/B300、16×H100、または8×H200
UltraNVFP44×B200/GB200/GB300/B300、または8×H100

Ultraを8×H100(合計640GB)で動かすにはNVFP4量子化が必須で、BF16では16枚必要になる。逆にBlackwell世代のB200であればNVFP4で4枚に収まり、GPU枚数が半分以下になる。NVFP4はBlackwellのネイティブフォーマットであり、Nemotron 3はこの形式で事前学習されているため、量子化による精度劣化が後付けの4-bit量子化より小さいと説明されている点も特徴である。

Nemotron 3とは何か

Nemotron 3はNVIDIAが公開するオープンウェイトのLLMファミリーで、重みだけでなく学習データとレシピも公開されている点が他のオープンウェイトモデルとの違いになる。ライセンスは NVIDIA Nemotron Open Model License で、商用利用が認められている。

アーキテクチャは Mamba-2 と Transformer のハイブリッドに Latent MoE(LatentMoE)を組み合わせた構成である。系列長に対して線形時間で処理できるMamba-2層を主体とし、精密な推論が必要な箇所にAttention層を挟む形をとる。これにより、1Mトークンという長大なコンテキストでも計算量の増加を抑えられる。さらにMulti-Token Prediction(MTP)層を持ち、構造化出力では最大3倍の実時間短縮が報告されている。

Nemotron 3 Nano — コンシューマGPUで動く層

Nanoは総パラメータ31.6B・アクティブ約3.2Bで、2025年12月に公開された。4-bit量子化なら約18GBに収まるため、RTX 4090(24GB)やRTX 5090(32GB)といったコンシューマGPU 1枚で動作する。FP8(約36GB)を狙う場合はRTX 6000 Ada(48GB)クラス、あるいは24GB×2枚構成が必要になる。BF16(約73GB)はApple Siliconの96GB/128GBユニファイドメモリ機か、H100 1枚が現実的な選択肢である。

性能面では、単体のH200 GPUでQwen3-30Bの約3.3倍のスループットを出すとされる。アクティブパラメータが3B台と小さいMoEであるため、メモリさえ確保できれば生成速度は同クラスの密モデルより有利になりやすい。

Nemotron 3 Super — 単一Blackwellに載るサイズ

Superは120B総/12Bアクティブで2026年3月11日に公開された。IT運用の自動化やエージェント協調といった高頻度ワークロード向けと位置づけられている。BF16の最小要件は8×H100-80GBだが、NVFP4量子化版なら単体のB200、あるいはDGX Sparkでの動作が可能とされており、この「1台に載る」点がSuperの実用上の価値になる。

NVIDIAは前世代のNemotron Superに対して5倍のスループット、H100上のFP8比で4倍のメモリ・演算効率を主張している。vLLMでの提供にも対応し、Superは vLLM 0.18.1 以降で --tensor-parallel-size 8--kv-cache-dtype fp8--max-model-len 262144 といった設定が公式に案内されている。

Nemotron 3 Ultra — 米国製オープンウェイトの最上位

Ultraは550B総/55Bアクティブで、2026年6月4日にHugging Faceで公開された。Artificial AnalysisのIntelligence Indexで47.7を記録し、米国製オープンウェイトモデルとしては最上位に位置づけられる。vLLMは公開当日(day-0)からサポートしており、vllm/vllm-openai:v0.22.0 コンテナと --mamba-backend triton--reasoning-parser nemotron_v3 などハイブリッドアーキテクチャ固有のフラグが必要になる。

オープンウェイトの最前線では GLM-5.2(753B)・Kimi K3(2.8T)・DeepSeek V4・Qwen3.6 といった中国発モデルが上位を占めており、Ultraはそこに対する米国側の回答という位置づけになる。同規模帯の必要スペックはGLM-5.2 必要スペック早見表Inkling(Thinking Machines)必要スペックと比較すると把握しやすい。

量子化フォーマットの選び方

Nemotron 3で選択肢になるのはBF16・FP8・NVFP4の3つである。NVFP4はBlackwell世代(B200/GB200/GB300/B300/RTX PRO Blackwell)でハードウェア支援が効く4-bit浮動小数点形式で、Hopper世代(H100/H200)でも動作はするが本来の速度は出ない。Ampere世代(A100)はFP8のハードウェア支援を持たないため、実質BF16運用になり必要メモリが倍増する点に注意したい。

フォーマットメモリ推奨GPU世代精度への影響
BF16基準(×1)Ampere以降すべて劣化なし
FP8約1/2Hopper/Blackwellほぼ無損失
NVFP4約1/4Blackwell(ネイティブ)事前学習済み形式のため劣化は小さい

予算別の現実的な構成

個人・小規模検証(〜50万円): Nano 4-bit を RTX 4090/5090 1枚で。1Mコンテキストを使わなければ24GBで十分
ワークステーション(100〜300万円): Nano BF16 または Super NVFP4 を Mac Studio(128GB以上)や DGX Spark で。単体機で完結する上限帯
サーバー1台(1,000万円〜): Super NVFP4 を B200 1枚、または Super BF16 を 8×H100 で
クラスタ(数千万円〜): Ultra NVFP4 を 4×B200 または 8×H100 で。BF16運用なら 8×B200/16×H100

自社の環境で目的のモデルが動くかを個別に確認したい場合は、モデルサイズ・量子化・コンテキスト長から必要VRAMを算出できるVRAM計算ツールが使える。より軽量なモデルとの比較検討にはGemma 4 必要スペック早見表も参照してほしい。

トラブルシューティング

Nemotron 3特有のつまずきどころとして、まずMamba-2ハイブリッド構成であるためvLLM側に専用の設定が要る点が挙げられる。--mamba-backend triton--mamba-ssm-cache-dtype float32 の指定が公式コマンドに含まれており、これを省くと起動に失敗するか性能が出ない。またSSMのステートキャッシュはKVキャッシュとは別枠でメモリを消費するため、上表の見積もりに対してさらに余裕を見ておきたい。

メモリ不足でロードに失敗する場合の対処順は、①コンテキスト長を1Mから256k以下に下げる、②--kv-cache-dtype fp8 でKVキャッシュを圧縮する、③同時実行シーケンス数(--max-num-seqs)を絞る、④量子化フォーマットを一段下げる、の順で影響が小さい。公式のUltra向けサンプルでも最大16シーケンス・32,768バッチトークンと控えめな値が使われている。

よくある質問

Nemotron 3はコンシューマGPUで動きますか?

Nanoであれば動く。総パラメータ31.6Bのため4-bit量子化で約18GBに収まり、RTX 4090(24GB)やRTX 5090(32GB)1枚で推論できる。SuperとUltraはそれぞれ最小構成でも約69GB・約317GBを要するため、コンシューマGPU単体では現実的でない。

MoEなのでアクティブパラメータ分のメモリで動きませんか?

動かない。推論時にどのエキスパートが選ばれるかはトークンごとに変わるため、全エキスパートの重みをメモリ上に保持しておく必要がある。アクティブパラメータが小さいことで得られるのは演算量の削減=生成速度であり、必要メモリは総パラメータ数で決まる。

NVFP4とは何ですか。通常の4-bit量子化と違いますか?

NVFP4はBlackwell世代のGPUがハードウェアで支援する4-bit浮動小数点形式である。Nemotron 3はこのNVFP4を主要な事前学習フォーマットとして訓練されているため、学習後に後付けで4-bit量子化したモデルより精度劣化が小さいとされる点が通常の4-bit量子化との違いになる。Hopper世代でも動作はするが、本来の速度は出ない。

1Mトークンのコンテキストをフルに使うと必要メモリはどうなりますか?

本文の早見表は重み容量に約15%を上乗せした概算であり、1Mトークンを実際に使う場合はKVキャッシュがそれを大きく超えて増える。公式モデルカードでもデフォルトは262,144トークン(256k)に設定されており、1Mまで伸ばすには環境変数での明示的な指定が必要になる。長文処理を前提にするなら、表の値の上にさらに数十GB単位の余裕を見ておきたい。

ライセンスは商用利用できますか?

NVIDIA Nemotron Open Model License のもとで公開されており、商用利用が認められている。加えてNemotron 3ファミリーは重みだけでなく学習データとレシピも公開する方針をとっており、この点でMITやApache 2.0の他のオープンウェイトモデルとは開示範囲が異なる。実際の適用前にはモデルカードのライセンス条項を確認してほしい。

3モデルのうちどれを選べばよいですか?

手元のハードウェアで決まる部分が大きい。GPU1枚で動かしたいならNano、単体のBlackwell機やDGX Sparkがあるなら Super NVFP4、複数GPUのサーバーやクラスタがあり最高精度が要るならUltraという切り分けになる。エージェント用途で高頻度に呼ぶワークロードは、NVIDIAがその用途を明示しているSuperが候補になりやすい。

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