本文へスキップ
株式会社オブライト
Software Development2026-09-27約9分で読めます

Reladrawとは — 座標を書かず「右に」「下に」で配置する相対配置の図解言語

Reladrawは、ノードを「右に」「下に」と相対配置で指定するテキストベースの図解言語だ。Mermaidの自動レイアウトとdraw.ioの座標指定のちょうど中間に位置し、npmやAIエージェント向けスキルで手早く導入できる。Hacker Newsで話題の新OSSの使い方・料金・既存ツールとの違いを解説する。


Reladrawは、ノードの位置を絶対座標ではなく「right of app」「below app.ui」といった相対的な言葉で指定するテキストベースの図解言語だ。MermaidやGraphvizのような自動レイアウトツールと、draw.ioやExcalidrawのような手動配置ツールのちょうど中間に位置する、と開発者自身が説明している。2026年9月26日にHacker Newsで「Show HN: Reladraw – A diagram language where you decide where to place things」として紹介され、投稿から16時間ほどで310ポイント・83コメントを集めた。

結論から言うと、Reladrawが解決するのは「自動レイアウトは見た目を自分で決められない」「手動配置は書くのが遅くAIエージェントに向かない」という、既存の2系統の図解ツールが抱える弱点だ。座標を1つも書かずに、しかし配置の意図(どのノードが右にあるか、どれとどれが同じ高さか)はテキストではっきり指定できるため、人間が読み書きしやすく、かつAIエージェントが差分としてレビューしやすい図解フォーマットを狙っている。GitHubリポジトリはreladraw/reladrawで公開されており、本稿執筆時点でスター数549・実装言語TypeScript・ライセンスApache-2.0(コードのみ、名称とロゴは対象外)、バージョンはv0.8.0で構文はまだ変わる可能性がある早期段階のツールだ。

基本情報

項目内容
開発元reladraw(OSSプロジェクト)
リポジトリgithub.com/reladraw/reladraw
実装言語TypeScript(ランタイム依存ゼロ)
ライセンスApache-2.0(コードのみ。名称・ロゴは対象外)
バージョンv0.8.0(本稿執筆時点、構文は不安定)
スター数549(本稿執筆時点)
出力形式SVG
HN掲載2026年9月26日「Show HN」、310ポイント・83コメント(掲載約16時間後時点)

何ができるか

Reladrawの構文は、ノードをnodeで宣言し、below・right of・level withといったキーワードで既存のノードを基準に位置を指定していく。ノード名をドットでつなぐと入れ子のグループ(app.uiのような親子関係)を表現でき、edgeで矢印を引く際はfrom:・to:でどちら側から出てどちら側に着地するかまで指定できる。

```text
node app "Web app"
node app.ui  "Interface"
node app.api "API"  below app.ui

node store "Database"  right of app  level with app

edge app.api -> store  "queries"  from: right  to: left
```

位置指定が矛盾した場合(たとえば同じノードに対して「Aの右」と「Aの左」を同時に指定するなど)は、自動レイアウトツールにありがちな「それらしく黙って解決される」動きではなく、エラーとして弾かれる。エッジは他のノードを避けて経路を自動で引き、直角(グリッド的な見た目)で描画される。近い時期に複数のテーマ(配色・線種のプリセット)も追加されており、見た目の調整を細かいCSS的な指定なしに切り替えられる。

インストール・料金

無料のオープンソースソフトウェアで、有償プランは存在しない。npmで単体インストールするか、ソースからビルドして使う。

```bash
# npmでグローバルインストール
npm install -g reladraw
reladraw diagram.reladraw -o diagram.svg

# ソースからビルドする場合
npm install && npm run build
```

Claude Code・Codex・Cursor・GitHub Copilotなどのコーディングエージェント向けには、専用のスキルが用意されている。npx skills add reladraw/reladraw -gでグローバルに追加すると、エージェントがReladrawの構文をその場で理解して図を生成・修正できるようになる。

使い方

最短の流れは、.reladraw拡張子のテキストファイルに構文を書き、CLIでSVGに変換し、そのままMarkdownやドキュメントに埋め込むというものだ。

```bash
reladraw architecture.reladraw -o architecture.svg
```

生成されたSVGはそのまま画像として貼り付けられるほか、テキストソース(.reladrawファイル)自体もGitでバージョン管理できるため、レビューではコードの差分と同じようにdiffを追える。エージェント経由で使う場合は、上記のスキルを追加したうえで「このAPIの構成図を作って」のように自然言語で依頼すれば、エージェントがnode・edgeの構文を生成し、必要に応じてCLIでSVG化するところまで一括で行える。ブランド配色の図解をエージェントに生成させるClaude Codeで図解を作るdiagram-designスキルと比べると、Reladrawは装飾よりも「意図した配置をテキストで固定する」ことに主眼を置いた、より軽量なアプローチだと言える。

既存ツールとの違い

図解ツールは大きく「自動レイアウト系」「手動配置系」「相対配置系(Reladraw)」の3系統に整理できる。

「誰が配置を決めるか」で図解ツールを並べた図。左は自動レイアウトのMermaid・Graphviz・D2・PlantUML、中央は「right of」「below」で相対配置するReladraw、右は座標を手動で決めるdraw.io・Excalidraw。
ツール配置方式主な用途出力
Mermaid自動レイアウトフローチャート・シーケンス図など軽量な図解SVG/PNG
Graphviz自動レイアウト(アルゴリズム指定可)グラフ構造・依存関係図SVG/PNG/PDF等
D2自動レイアウト+一部手動調整システム構成図SVG/PNG
PlantUML自動レイアウトUML各種(クラス図・シーケンス図等)PNG/SVG
draw.io手動配置(絶対座標)汎用図解全般XML/PNG/SVG
Excalidraw手動配置(絶対座標)手書き風のホワイトボード図PNG/SVG
TikZ手動配置(絶対座標、LaTeX記法)論文向けの図・ボックスと矢印中心の狭い用途PDF
Reladraw相対配置(right of / below / level with)構成図・関係図をテキストで意図通りに配置SVG

MermaidやGraphviz、D2、PlantUMLは自動レイアウトエンジンがノード位置を計算するため書く手間は少ないが、思った配置にならず微調整ができない、あるいはできても限定的というケースがある。draw.ioやExcalidrawは逆にドラッグ&ドロップで自由に配置できる反面、テキストで表現できないためGit管理やAIエージェントによる自動編集に向かない。TikZはLaTeX前提で学習コストが高く、対象もボックスと矢印中心の狭い範囲にとどまる。ReladrawはHNの議論でもこの2系統との比較が主題になっており、開発者自身「自動配置は見た目を決められない、手動配置は書くのが遅くAIに向かない」という動機を説明している。似た文脈のエージェント向け図解ツールとしては、アーキテクチャ図生成に特化したarchifyや、コードの変更内容をキャンバス上でレビューするWhiteboardもあり、目的に応じた使い分けが進んでいる分野だ。

向いている人・向いていない人/注意点

- 配置の意図をテキストで固定したいが、座標を手で計算したくない人に向く。Mermaid・D2で「思った通りの見た目にならない」不満がある場合の代替候補になる
- AIエージェントに図を生成・修正させたい用途に向く。npx skills addでスキル化でき、構文がシンプルなためエージェントが生成しやすい
- v0.8.0の早期段階で構文はまだ変わる可能性がある。本番のドキュメント基盤に組み込む場合はバージョン追従の手間を見込む必要がある
- スター549・フォーク6と、MermaidやD2に比べるとコミュニティ規模はまだ小さく、Obsidian・VS Code向けの公式拡張機能はHN議論の時点で未整備(要望として挙がっている)
- 出力はSVGのみ。PDFやPNGへの変換は別途ツールを挟む必要がある
- 複雑な自動グラフレイアウト(大量のノードを美しく自動整列するような用途)にはGraphvizやD2の方が向く。Reladrawは配置を明示する分、ノード数が増えるほど記述量も増える
- ライセンスはApache-2.0だがReladrawの名称・ロゴは対象外のため、フォークして再配布する際は名称の扱いに注意

よくある質問

Reladrawは無料か

はい。Apache-2.0ライセンス(コードのみ、名称・ロゴは対象外)で公開されているオープンソースソフトウェアで、有償プランは存在しない。

MermaidやD2との一番の違いは何か

MermaidやD2はレイアウトを自動計算するため配置を細かくコントロールしづらいのに対し、Reladrawはright of・below・level withのような相対的な言葉でノードの配置を自分で決められる。ただし座標そのものを計算する必要はない。

draw.ioやExcalidrawの代わりになるか

用途による。draw.ioやExcalidrawはドラッグ&ドロップで自由な配置ができる反面テキスト管理に向かないのに対し、Reladrawはテキストファイルなので差分管理やAIエージェントとの相性が良い。細かい手描き風の表現やフリーハンドの図にはExcalidrawの方が向く。

Claude Code以外のエージェントでも使えるか

使える。npx skills add reladraw/reladraw -gで追加するスキルはClaude Code・Codex・Cursor・GitHub Copilotに対応している。

構文は安定しているか

していない。本稿執筆時点でv0.8.0の早期段階であり、開発者自身が構文は今後変わり得ると明言している。破壊的変更に備え、生成したSVGとは別に元の.reladrawソースも保管しておくとよい。

まとめ

Reladrawは、自動レイアウト(Mermaid・Graphviz・D2・PlantUML)と手動配置(draw.io・Excalidraw・TikZ)の間を埋める、相対配置というアプローチを取る図解言語だ。座標計算をツールに任せつつ配置の意図はテキストで固定できるため、AIエージェントとの相性を重視して設計されている。v0.8.0とまだ早期段階であり構文が変わる可能性はあるが、npx skills addでエージェントにすぐ組み込める手軽さは、archifyやWhiteboardと並んで、AIエージェント時代の図解ツールの一つの方向性を示している。

この記事に関連する無料ツール(登録不要・その場で結果)

お気軽にご相談ください

お問い合わせ