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株式会社オブライト
Software Development2026-10-05約8分で読めます

RemoveMacAIとは — macOS 27のApple Intelligenceを止め約12GBを回収するCLI

Hacker Newsで話題になったRemoveMacAIは、macOS 27のApple Intelligenceを一括で無効化し、約12GBのモデルを削除して容量を回収するMITライセンスのCLI。要件と導入手順、主要コマンド、仕組みと安全性、失う機能、手動設定とMDMとの比較まで詳しく解説する。


RemoveMacAIは、macOS 27でAppleが提供する「Apple Intelligence」関連機能をまとめて無効化し、ディスク上のモデルファイルも削除して容量を回収するオープンソースのCLIツールである(MIT License、github.com/omlahore/RemoveMacAI)。結論から言えば、macOS 27には単一のオフスイッチが存在せず、機能を個別に切っても大容量のモデルがディスクに残るため、「機能停止」と「容量回収」を一度に済ませたい人にとって現実的な選択肢になる。2026年10月5日にはHacker Newsのフロントページ(約576ポイント)に載り、注目を集めた。

本稿では、なぜこのツールが必要になるのか、何が無効化され何が削除されるのか、インストールから使い方、仕組みと安全性、失うもの、他の手段との比較までを順に整理する。Apple Intelligenceの技術的な中身についてはApple Foundation Modelsの解説記事も参照してほしい。

RemoveMacAIが必要になる理由

macOS 27では、Apple Intelligenceを一括でオフにするスイッチが用意されていない。Siri、Writing Tools、Genmoji、Image Playground、各アプリの要約機能などが別々の設定項目に散らばっており、それぞれを手作業で探して切る必要がある。しかも機能をオフにしても、裏で使われていたオンデバイスのモデルはディスクに残り続ける。

容量の面でも無視できない。Tom's Guideの報道によれば、macOS 27ではApple Intelligenceが最大で約30GBのストレージを使う可能性があるという。RemoveMacAIが削除するモデルの合計は約12GBとされており、512GBや256GBのSSDを搭載したMacでは、この差が体感できる余裕につながる。

加えて、Apple Intelligenceを使わない人、業務上クラウドやオンデバイスのAI機能を意図的に止めたい人、Mac上でローカルLLMを動かすために空き容量を確保したい人など、動機は様々である。後者については、空いた容量をApple Silicon向けのLLM推論サーバーであるoMLXのようなローカル推論環境のモデル置き場に回す、という使い方が考えられる。

何が無効化され、何が削除されるのか

RemoveMacAIが行うことは大きく2つ、機能の無効化とモデルの削除である。無効化の対象は次のとおりだ。

- Siri(「Hey Siri」を含む)
- Writing Tools
- Genmoji
- Image Playground
- ChatGPT拡張機能
- Mail、メッセージ、Safari、メモ、通知における要約
- Mailのスマート返信
- インラインのテキスト予測
- 空間写真(Spatial Photos)
- 写真アプリのクリーンアップ(Clean Up)
- Xcodeの予測コード補完

削除されるモデルは、Apple Intelligenceの基盤モデル、画像生成モデル、Genmoji、空間写真、写真のクリーンアップ、Xcodeのコード補完用モデルである。合計で約12GBが回収される。

インストールと動作要件

要件は明確で、Apple siliconを搭載したMacとmacOS 27が必要である。動作確認はmacOS 27.0で行われており、macOS 27.0.1ではv0.2.3以降を使う必要がある。macOS 26以前は対象外である。

インストール方法は2通りある。1つ目は公式のインストールスクリプトを使う方法で、最新リリースをダウンロードしてSHA-256チェックサムを検証し、一時ストレージから実行する。恒久的なインストールは行われない。

curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/omlahore/RemoveMacAI/main/install.sh | bash

2つ目はHomebrewを使う方法である。こちらのほうが、後述するセキュリティ面での不安は小さい。

brew install omlahore/tap/removemacai
removemacai

使い方 — 最短手順

基本は、removemacai を実行するだけである。現在の状態を表示したうえでApple Intelligenceをオフにする。主なコマンドは次のとおりだ。

# 現在の状態を表示し、Apple Intelligenceをオフにする
removemacai

# 各機能の状態とモデルのディスク使用量を表示
removemacai status

# 変更を適用せずにプレビュー
removemacai off --dry-run

# 指定した機能を除いて、すべてオフにする
removemacai off --keep <features>

# --keep に指定できる機能名の一覧
removemacai features

# すべて元に戻す
removemacai revert

初めて試すなら、まず removemacai status で現状を確認し、removemacai off --dry-run で何が起きるかを見てから本番実行するのが安全である。Siriだけは使い続けたい、といった場合は、removemacai features で機能名を確認し、--keep で残したい機能を指定すればよい。

元に戻すには removemacai revert を使う。インストールスクリプト経由で実行した場合は、次のように revert を渡すこともできる。

curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/omlahore/RemoveMacAI/main/install.sh | bash -s revert

仕組みと安全性

RemoveMacAIの仕組み。構成プロファイルで機能を停止し、アセットサービス経由で約12GBのモデルを削除し、閉じたローカルポートで再ダウンロードを防ぐ。revertで元に戻せる。

RemoveMacAIは、Appleが用意している制限キー(restriction keys)を使った構成プロファイルを適用することで機能を止める。制限キーが存在しない設定については、設定値を強制する形で対応する。このプロファイルはOSのアップデート後も維持され、revertで削除される。

モデルの削除はAppleのアセットサービスを通じて行う。さらに、再ダウンロードを防ぐために、モデルのダウンロード先をローカルの閉じたポートへリダイレクトする。これにより、macOSが勝手にモデルを取り直す挙動を抑える仕組みである。

安全性に関する設計上の特徴として、SIP(システム整合性保護)は有効のままで、/Systemを直接書き換えることもない。ネットワークリクエストは行わず、データも収集しない。なお、本ツールは4evy氏の「pared」をベースに作られている。

ただし、以下は一般的なベストプラクティスとしての助言である。curl ... | bash はリモートのコードをそのまま実行する手法であり、事前にinstall.shの中身を読むか、Homebrew経由を選ぶほうがよい。実行前には --dry-run で挙動を確認することも勧める。また、会社管理のMacでは構成プロファイルがインストールされるため、MDMのプロファイルと競合する可能性がある。IT部門やMDM管理者に確認したうえで使うべきで、管理された組織なら、MDMの制限キーを直接配布する方法を取ることもできる。

失うもの — 注意点

無効化にはトレードオフがある。事前に把握しておきたい点を挙げる。

- 音声入力(ディクテーション)は引き続き使える。別系統の音声認識モデルを使っているためである
- 「ストレージ」設定には、macOSがファイルを自ら削除するまでApple Intelligenceの項目が残って表示されることがある
- macOS 27では、Spotlightのウィンドウが「Siri」という名前のプロセスとして動作している
- Foundation Modelsフレームワークを使うアプリと、ショートカットの「モデル」アクションは影響を受ける
- Visual Intelligenceと、自然言語によるカレンダー編集が使えなくなる

特にFoundation Modelsフレームワークを利用するサードパーティ製アプリは、オンデバイスAIの機能が動かなくなる可能性がある。普段使うアプリがAppleのオンデバイスモデルに依存していないか、実行前に確認しておくと安心である。

他の手段との比較

Apple Intelligenceを止める方法はRemoveMacAIだけではない。目的別に比較すると次のようになる。

手段機能停止モデル削除・容量回収再ダウンロード防止元に戻せるか向いている人
RemoveMacAI○ 一括で停止○ 約12GBを削除○ ダウンロード先をリダイレクト○ revertで復元一括停止と容量回収を両方したい個人
システム設定で手動オフ△ 項目ごとに手作業(単一スイッチなし)× モデルは残る×○ 設定で戻せる一部の機能だけ止めたい人
MDM制限プロファイル○ 機能を停止△ 保証されない△ 設定による○ プロファイル削除組織の管理者
そのまま使う××--Apple Intelligenceを活用する人

手動でオフにする方法は手軽だが、容量は戻らない。MDMは組織全体に統一ポリシーを配るのに向く一方、モデルが確実に消える保証はない。個人のMacで機能停止と容量回収を同時に済ませたいなら、RemoveMacAIが最も手数が少ない。

よくある質問

RemoveMacAIは安全か。

SIPを有効のまま、/Systemを直接変更せず、Appleの制限キーを使った構成プロファイルで動作する。ネットワークリクエストやデータ収集もない。それでもリモートスクリプトの実行にはリスクがあるため、install.shを読むかHomebrewで導入し、まず --dry-run で確認することを勧める。

元に戻すにはどうすればよいか。

removemacai revert を実行すれば、すべて元に戻る。インストールスクリプト経由なら、curl ... | bash -s revert でも同じことができる。プロファイルはrevertで削除される。

Intel MacやmacOS 26では使えるか。

使えない。対象はApple siliconのMacとmacOS 27である。動作確認はmacOS 27.0で行われており、macOS 27.0.1ではv0.2.3以降を使う。macOS 26以前は対象外である。

macOSをアップデートするとモデルが再ダウンロードされるか。

適用した構成プロファイルはOSのアップデート後も維持される。また、モデルのダウンロードをローカルの閉じたポートへリダイレクトすることで、再ダウンロードを防ぐ設計になっている。

音声入力(ディクテーション)は使えなくなるか。

使い続けられる。ディクテーションはApple Intelligenceとは別の音声認識モデルを使っているためである。ただしSiriと「Hey Siri」は無効になる。

まとめると、RemoveMacAIはmacOS 27で欠けている「Apple Intelligenceを一括でオフにして、容量も回収する」手段を、元に戻せる形で提供するツールである。個人のMacなら --dry-run で確認してから使い、会社のMacなら先にIT部門へ相談するのが望ましい。

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