会社のITトラブル緊急対応ガイド — 最初の30分でやること・やってはいけないこと
会社でITトラブルが起きた最初の30分にやること・やってはいけないことを解説。初動の3原則(被害を広げない・記録する・むやみに再起動しない)、症状別トリアージ表、IPA・警察・保守会社など連絡先の使い分けまで、非IT担当者でも使える緊急対応ガイドです。
最初の30分でやるべきこと(結論)
会社のシステムやサイトにトラブルが発生したとき、最初の30分でどう動くかによってその後の被害の大きさが大きく変わります。慌てて機器を触ったり、原因を確かめずに再起動したりすると、かえって復旧を遅らせたり、証拠となる情報を失ったりすることがあります。まずは以下の3原則を守ってください。
- 被害を広げない:不審な動きをしているPCやサーバーはネットワークから切り離す(LANケーブルを抜く・Wi-Fiを切る)。ただし電源は切らない
- 状況を記録する:発生時刻、症状、表示されたエラーメッセージを画面写真やメモで残す
- むやみに再起動しない:不正アクセスやランサムウェアの疑いがある場合、再起動によって原因調査に必要な証拠が消えてしまうことがある
症状別トリアージ表 — まず何をすべきか
起きている症状によって、最初にとるべき行動と緊急度は異なります。下表で自社の状況に近いものを確認し、詳しい対応手順は各リンク先を参照してください。
やってはいけないこと
- 不正アクセスや感染が疑われる端末の電源をすぐに落とす(メモリ上の証拠が消えてしまう)
- 犯人らしき相手に自己判断で連絡・送金する(ランサムウェア対応の基礎知識を参照)
- ログや画面の状態を確認せずに再起動・初期化する
- 個人の判断で既存のバックアップを上書きする
- 社内だけで抱え込み、外部の専門家への相談を先延ばしにする
記録しておくべきこと
現場では原因究明を急ぎたくなりますが、記録を後回しにすると後の原因調査や保険会社・警察への相談の際に説明ができず、対応が遅れる原因になります。以下の情報は必ず記録しておきましょう。
- 発生日時と気づいたきっかけ
- 表示されたエラーメッセージや画面(スクリーンショット)
- 影響を受けている範囲(人数・拠点・システム名)
- それまでに行った操作(誰が・いつ・何をしたか)
連絡先を平時から整理しておく
トラブル発生時に慌てて連絡先を探すことのないよう、平時から以下の窓口を一覧にしておくと初動が格段に速くなります。
| 相談先 | 主な用途 |
|---|---|
| 回線・プロバイダ業者 | インターネット回線自体の不通・速度低下 |
| 機器メーカー・サポート窓口 | ルーター・サーバーなどハードウェアの故障 |
| システム保守会社 | 業務システムの障害。連絡がつかない場合は代替の相談先の探し方を参照 |
| IPA(情報処理推進機構) | ランサムウェアなどサイバー攻撃に関する相談・届出 |
| 警察(都道府県警のサイバー犯罪相談窓口) | 不正アクセス・データ窃取など犯罪性が疑われる場合 |
平時の備えがものを言う
緊急対応の負担を最も減らせるのは、平時からの備えです。事業継続計画(BCP)の基本や中小企業のITリスク対策の全体像を確認し、自社の弱点を洗い出しておきましょう。また、担当者しかシステムの内部を把握していない状態だと緊急時の切り分けが遅れます。システムのブラックボックス化を防ぐ方法も合わせて参考にしてください。
保守契約がない場合、まず誰に相談すればいいですか?
導入時のベンダーやシステム会社にまず連絡してください。応答がない、または連絡先が分からない場合は、IPAの相談窓口や地域のIT支援機関に問い合わせるとよいでしょう。
再起動して直りそうなら、すぐ再起動していいですか?
単純なフリーズなど不正アクセスの疑いがない場合は問題ありません。ただしランサムウェアや不審な挙動が見られる場合は、証拠保全のため再起動せず専門家の指示を待ってください。
社内だけで対応してもいいですか、それとも必ず外部に相談すべきですか?
軽微な不具合であれば社内対応で構いません。ただしデータ漏えいや金銭被害の可能性がある場合は、早期に専門家や警察・IPAへの相談を検討してください。判断が遅れるほど被害は拡大しやすくなります。
バックアップがあれば安心ですか?
バックアップの存在だけでなく、実際に復元できるかどうかの確認が重要です。バックアップ自体が感染・暗号化されているケースもあるため、ネットワークから隔離された場所に保管されているかも確認しましょう。
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