複合機のリース費用相場【2026年】カウンター料金と5年総額
複合機のリース費用は、A3カラー機で月額1万〜3万円程度、カウンター料金はモノクロ0.8〜3円・カラー8〜20円が目安です。10名・30名規模の5年総額の試算、見積で確認すべき項目、乗り換え営業やデータ消去の注意点、ペーパーレス化による台数削減、契約前の確認事項まで、中小企業の総務担当者向けに解説します。
複合機(コピー機)のリース費用は、A3カラー複合機で月額リース料1万〜3万円程度、これに印刷枚数に応じたカウンター料金(モノクロ1枚0.8〜3円、カラー1枚8〜20円程度)が加わるのが一般的な目安です。10名規模の会社なら、5年間の総額は170万〜230万円前後、30名規模(2台)なら500万〜650万円前後になるケースが多く見られます。ただし複合機は「月額リース料」だけを見て選ぶと失敗しやすい機器です。本記事では、リース・レンタル・購入の違い、機種クラス別の料金目安、カウンター料金の仕組み、見積で確認すべき項目、よくある失敗、セキュリティの注意点、ペーパーレス化による台数削減までを、IT担当者がいない会社の経営者・総務担当者向けに整理します。数値はすべて一般的な目安であり、契約内容・地域・販売店によって変わります。
複合機を入れる3つの方法:リース・レンタル・購入
複合機の導入方法は大きく3つあります。中小企業では「5年リース+保守契約」が最も多く、販売店もこの形を前提に提案してくることがほとんどです。ただし、使い方によっては別の方法のほうが総額が安くなることもあります。
| 方法 | 仕組み | 費用感(目安) | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| リース | リース会社が機器を購入し、会社が5年前後の期間で借りる。原則、途中解約不可 | A3カラー機で月額1万〜3万円+カウンター料金 | 継続的に使い、数年は買い替えない会社。初期費用を抑えたい場合 |
| レンタル | 短期(数日〜1年程度)で借りる。途中解約できることが多い | リースより割高(月額2万〜6万円程度) | イベント・短期プロジェクト・利用期間が読めない場合 |
| 購入 | 機器を現金で買い、保守契約のみ別途結ぶ | A3カラー機で本体50万〜150万円程度 | 10年近く使う前提で、資金に余裕がある場合。中古・再生機の選択肢もある |
リースは初期費用がかからず月額で平準化できる反面、契約期間中の途中解約ができない点が最大の注意点です。事業縮小や移転、ペーパーレス化で台数を減らしたくなっても、残りのリース料を支払い続ける必要があります。一方、購入は本体代がかかりますが、5年を超えて使うほど1年あたりのコストは下がります。なお、リース契約では保守(修理・トナー供給)は別契約になるのが基本で、リース料に含まれているのは機器の代金と金利・手数料だけです。
機種クラス別の月額リース料の目安
リース料は、機器の本体価格、リース期間、リース料率(金利や手数料に相当する率)で決まります。5年リースの場合、月額リース料は「本体価格×1.7〜2.0%程度」が一つの目安です。以下は2026年時点の一般的な相場感で、特に値引き率は販売店ごとに大きく異なります。
| 機種クラス | 主な用途 | 本体価格(定価ベース目安) | 月額リース料(5年・目安) |
|---|---|---|---|
| A4モノクロ複合機 | 小規模事務所、個人事業・少人数 | 20万〜50万円 | 4,000〜9,000円程度 |
| A4カラー複合機 | 5名前後で資料・請求書をカラー印刷 | 30万〜80万円 | 6,000〜15,000円程度 |
| A3モノクロ複合機(低〜中速) | 10名前後、図面・A3資料あり | 50万〜120万円 | 8,000〜20,000円程度 |
| A3カラー複合機(中速・毎分25〜35枚) | 10〜30名規模の標準クラス | 100万〜250万円 | 1万〜3万円程度 |
| A3カラー複合機(高速・毎分45枚以上) | 30名超、大量印刷、フィニッシャー付き | 250万〜500万円 | 3万〜7万円程度 |
速度(1分あたりの印刷枚数)と機能(ステープル、パンチ、大容量給紙など)が上がるほど、本体価格もリース料も上がります。多くの10〜30名規模の会社では、中速のA3カラー機で十分です。「大は小を兼ねる」と高速機を選ぶと、使わない性能に5年間お金を払うことになります。
カウンター料金(保守料)の仕組みと単価目安
複合機の維持費で見落とされやすいのがカウンター料金です。これは、印刷・コピーした枚数に応じて毎月支払う料金で、機器の修理対応、トナーなどの消耗品、定期点検の費用をまとめて含む「保守契約」の中身にあたります。コピー機のメーターに表示される印刷枚数(カウンター)を毎月検針し、枚数×単価で請求される仕組みです。
| 区分 | 1枚あたり単価(目安) | 補足 |
|---|---|---|
| モノクロ | 0.8〜3円程度 | A3もA4も同じ1枚(1カウント)とする契約が多いが、A3を2カウントとする契約もある |
| カラー | 8〜20円程度 | フルカラー。2色・単色カラー用の別単価がある場合も |
| 最低基本料金 | 月額0〜5,000円程度 | 実際の印刷枚数が少なくても請求される固定分。「月に◯枚までは基本料金に含む」形式もある |
カラーの単価はモノクロの5〜10倍になるのが普通です。そのため、月の印刷枚数が同じでも、カラー比率が高い会社ほど総額が大きくなります。逆に、カラー印刷が月に数十枚なら、カラー単価が多少高くても総額への影響は小さく、モノクロ単価と基本料金の安さが効いてきます。
カウンター料金の契約形態には、主に次の2種類があります。
- 従量課金型:印刷した枚数分だけ支払う。印刷が少ない会社に向く。基本料金が安めでも、単価が高めに設定されていることがある
- 固定枚数込み(ミニマムチャージ)型:月に一定枚数までは定額で、超えた分だけ追加請求。印刷枚数が安定している会社は予算が立てやすいが、使わなくても定額分は払う
あわせて確認したいのが、トナー・ドラム・感光体などの消耗品が保守に含まれるかです。ほとんどの保守契約ではトナー代込みですが、「用紙代は含まれない」のが通常です。トナー代が別請求の契約だと、カウンター単価が安く見えても総額は逆転します。
5年間の総額(TCO)の試算例:10名・30名規模
リース料とカウンター料金を合算し、5年間の総額で見ると、実際の負担が分かります。以下は、一般的な利用パターンを想定した試算例です(すべて目安であり、見積を取る際の「比較の物差し」としてお使いください)。
| 項目 | 10名規模(1台) | 30名規模(2台) |
|---|---|---|
| 機種 | A3カラー中速機 1台 | A3カラー中速機 2台 |
| 月額リース料 | 15,000円 | 2台合計 40,000円 |
| 月間印刷枚数(想定) | モノクロ3,000枚/カラー800枚 | モノクロ12,000枚/カラー3,000枚 |
| カウンター単価(想定) | モノクロ1.5円/カラー12円 | モノクロ1.2円/カラー10円 |
| 月額カウンター料金 | 約14,100円(4,500+9,600) | 約44,400円(14,400+30,000) |
| 最低基本料金(想定) | 2,000円 | 4,000円 |
| 月額合計 | 約31,100円 | 約88,400円 |
| 5年間の総額 | 約187万円 | 約530万円 |

このように、10名規模の例では月額合計の半分近くがカウンター料金です。リース料が安くても、カラー印刷が多ければ維持費が膨らみます。見積書を見るときは、「月額リース料」ではなく「リース料+カウンター料金+基本料金の5年総額」で比較してください。
また、上の試算には用紙代、設置工事費、電気代、リース満了後の再リースや撤去費用、保守契約外の修理は含まれていません。これらも合計すると、実際の負担はさらに1〜2割程度増えることがあります。
リース期間と途中解約の落とし穴
複合機のリース期間は5年が一般的で、3年〜7年の範囲で設定されます。国が定める法定耐用年数(複合機は5年)に合わせた期間が基本で、リース会社も5年を前提とした料率を提示します。短い期間(3年など)にすると月額は上がりますが、機器が古くなる前に入れ替えられます。
- 途中解約は原則できません。解約する場合は、残りのリース料を一括で支払う「規定損害金」が必要になります
- 事業の縮小・オフィス移転・倒産などでも、リース契約は引き継がれることがあります。移転で台数が不要になっても契約は残ります
- リース満了時に何もしないと「再リース」に移ることがあります。再リース料は通常、年額で本来のリース料の1カ月分程度と非常に安いため、そのまま使い続けるのも一つの選択肢です
- ファームウェアの更新やメーカーのサポート終了は、リース期間中でも起こり得ます。サポート終了後も使うと、セキュリティ面でリスクが生じます
リース契約の途中でカウンター料金や保守内容の変更を求められた場合も、安易に応じず、書面で内容を確認することが重要です。契約書は、リース契約と保守契約が別々に存在するのが普通で、解約条件も別です。
見積で必ず確認すべき項目(チェックリスト)
複合機の見積は項目が分かりにくく、一見安く見えても条件で総額が大きく変わります。次の項目を、複数社の見積で並べて比較してください。
- カウンター単価:モノクロ/カラー/A3の扱い(1カウントか2カウントか)/単色カラーの別単価の有無
- 最低基本料金:月額いくらか。「月◯枚までは込み」の枚数は実際の使用量に合っているか
- トナー・ドラム・感光体などの消耗品は保守に含まれるか(用紙代は別が一般的)
- 保守の範囲:出張修理の費用、部品交換費用、定期点検の頻度、故障時の対応時間(駆けつけ目安)
- リース料率と総支払額:リース期間と月額から計算した5年総額が、本体価格に対して妥当か
- 途中解約の条件:規定損害金の計算方法、移設・台数変更の可否
- 満了後の扱い:再リースの料金、撤去・引き取り費用、データ消去の有無
- 設置・搬入・設定費用:初期費用に含まれるか、別途かかるか
- ネットワークやスキャン送信の設定費用:PC・メールへのスキャン送信設定が含まれるか
- 現在の機器の扱い:古い機器の撤去費、リース残債の扱い(乗り換えの場合)
複合機の導入時は、ネットワークの構成も見直す機会になります。移転とあわせて導入する場合は、オフィス移転のIT費用の記事も参考にしてください。複合機は移設時にリース会社の承認が必要になる点も注意が必要です。
よくある失敗と、悪質な営業への注意
複合機は、中小企業が「知らないうちに高い契約を結びがち」な代表的な機器です。典型的な失敗を整理します。
| 失敗パターン | なぜ起こるか | 対策 |
|---|---|---|
| 過剰スペック | 「念のため」で高速機・大容量・多機能を選ぶ。実際の印刷枚数は想定の半分以下だった | 過去1年の印刷枚数(現在の複合機のカウンター値)を確認し、必要な速度と機能を絞る |
| カラー比率を想定していない | カラー単価の高さを見落とし、請求が想定の2倍に | カラー印刷の用途と枚数を事前に洗い出し、モノクロ中心なら単価条件を優先 |
| 「今より安くなる」系の乗り換え営業 | 電話・訪問で「今の保守料より安くする」と持ちかけられ、契約すると残リースの上乗せや新リース料で逆に高くなる | その場で契約しない。現契約の内容と、乗り換え後の5年総額を書面で比較する |
| 残リースの一括精算 | 解約や乗り換え時に、旧機器の残リース料の一括請求が発生 | 契約書の「解約条項」を確認。満了時期に合わせて入れ替える |
| 契約書をよく読まず署名 | リース契約と保守契約が別で、片方だけ解約できると誤解 | 契約の種類(リース・保守・オプション)をリスト化して管理する |
特に注意したいのが、「現在の保守契約を調べに来ました」「メーカーを装った電話」「今の契約より安くなります」といった形で近づく営業です。複合機の乗り換え営業では、旧リースの残債を新しいリース料に上乗せする手法が使われることがあります。月額が安く見えても、5年総額は高くなっていることがあるため、電話や訪問でその場で契約せず、必ず複数社の見積書を取り、社内で確認してから決めてください。不審な場合は、現在の契約先や、各地の消費生活センターに相談することも選択肢です。
営業の勧誘とは別に、複合機に限らず「IT機器の定期的な見直し」は、UTM(統合セキュリティ機器)など他のITコストとあわせて年1回行うと、無駄な出費を減らしやすくなります。
セキュリティ観点:複合機は「社内に置かれたパソコン」
複合機は、実はPCと同様にハードディスク(HDD・SSD)やネットワーク機能を持つ機器です。コピー・スキャンしたデータが内部に残ることがあり、ネットワークにつながっているぶん、攻撃対象にもなり得ます。リース返却時や廃棄時の対応を含め、以下を確認してください。
- HDD・SSDのデータ消去:リース返却・買い替え・廃棄時に、内部データを消去してもらい、消去証明書を発行してもらえるか。この対応が含まれない契約もある
- データ暗号化・上書き消去機能:メーカーによっては標準で暗号化が有効。機種選定時に機能を確認する
- ファームウェアの更新:メーカーが提供するセキュリティ更新を、保守会社が適用してくれるか。自社で行う場合は手順を決めておく
- 管理者パスワードの変更:初期設定のままにしない。ネットワーク設定画面へのアクセスを制限する
- FAXのペーパーレス化:FAXは電話回線・ネットワークの入口になり、紙で受信した書類の誤送信・放置も起きやすい。インターネットFAXやクラウドFAXへの切替も検討
- スキャン送信先の限定:メールやフォルダへのスキャン送信は、送信先を登録済みのアドレスに限定し、誤送信を防ぐ
複合機のログや履歴、社内ネットワークとの接続は、PCやネットワーク機器と同様に管理対象になります。PCの管理についてはオフィスPCの入れ替え・更新ガイドも参考になります。
ペーパーレス化で台数・印刷枚数を減らす判断
複合機の費用は「枚数×単価」と「台数×リース料」で決まるため、印刷枚数を減らす、もしくは台数を減らすことが最も確実なコスト削減になります。コロナ禍以降、請求書・見積書・契約書の電子化が進み、中小企業でも印刷枚数が減少傾向にあります。
- 請求書・見積書の電子化:電子帳簿保存法に対応したクラウド請求書サービスを使えば、紙の印刷・郵送・保管を減らせる
- 電子契約:契約書の印刷・押印・郵送を省略できる。取引先の対応状況に左右される
- 会議資料のデジタル化:資料をモニターやタブレットで共有し、印刷しない
- FAX受信のデータ化:インターネットFAXなら、受信内容がメール・クラウドで届く
- スキャンの活用:紙で受け取った書類は、スキャンしてデータ保管し、原本の保管場所を減らす
目安として、月の総印刷枚数が1,000枚を大きく下回る場合は、複合機そのものが不要になる可能性もあります。A4の小型プリンター複合機(本体5万〜15万円程度、インクジェットなら導入費はさらに低い)で足りるか、コンビニのネットプリント・コピーサービスや、印刷代行を使ったほうが安いかを比較してください。ただし、複合機を完全にやめる前に、取引先とのFAXや紙の提出書類、スキャンの運用が回るかを確認する必要があります。
判断のポイントは次のとおりです。
| 月の総印刷枚数(目安) | 検討する選択肢 |
|---|---|
| 500枚未満 | A4小型複合機(購入または低額リース)、ネットプリントの併用 |
| 500〜3,000枚 | A4カラー複合機またはA3中速機1台 |
| 3,000〜15,000枚 | A3カラー中速機1〜2台(拠点・フロアで分ける) |
| 15,000枚超 | 高速機、または印刷専用機との使い分け |
まとめ:複合機は「月額リース料」でなく「5年総額」で選ぶ
- A3カラー複合機のリース料は月額1万〜3万円程度、カウンター料金はモノクロ0.8〜3円・カラー8〜20円程度が目安(すべて目安であり、契約により異なる)
- リースは原則途中解約不可。レンタル・購入との違いを理解してから選ぶ
- 見積は「リース料+カウンター料金+基本料金」の5年総額で複数社を比較する
- 過剰スペック、電話・訪問の乗り換え営業、残リース上乗せに注意し、その場で契約しない
- HDDのデータ消去、ファームウェア更新、FAXのペーパーレス化など、セキュリティ面も契約前に確認する
- 請求書・契約書・FAXの電子化で印刷枚数を減らし、台数やクラスを見直す
複合機は、一度契約すると5年間付き合う機器です。導入前に過去の印刷枚数を調べ、必要な性能を絞り、5年総額で比較することが、無駄な出費を避ける最も確実な方法です。
よくある質問
複合機のリース料の相場はいくらですか?
A3カラー複合機(中速)の5年リースで、月額1万〜3万円程度が一般的な目安です。A4モノクロ機なら月額4,000〜9,000円程度、高速のA3カラー機なら月額3万〜7万円程度になります。これにカウンター料金(印刷枚数に応じた保守料)が別途かかるため、総額で比較することが重要です。数値は目安であり、販売店や契約内容で変わります。
カウンター料金とは何ですか?単価の目安は?
印刷・コピーした枚数に応じて毎月支払う保守料金です。修理対応、トナーなどの消耗品、定期点検が含まれるのが一般的です。単価の目安は、モノクロが1枚0.8〜3円程度、カラーが1枚8〜20円程度です。最低基本料金(月額0〜5,000円程度)が別にかかる契約もあります。
リース契約を途中で解約できますか?
原則としてできません。やむを得ず解約する場合は、残りのリース料に相当する規定損害金を一括で支払う必要があります。事業縮小や移転で不要になっても契約は残るため、契約前に期間と解約条件を確認し、リース満了時期に合わせて見直すのが安全です。
「今より安くなる」と乗り換えを勧められました。どうすればよいですか?
その場で契約しないでください。旧機器の残リース料が新しいリース料に上乗せされ、月額が安く見えても5年総額では高くなる例があります。現在の契約書で残リース額と満了時期を確認し、複数社の見積書を5年総額で比較したうえで判断しましょう。不審な場合は消費生活センターなどに相談することもできます。
複合機を返却・廃棄するとき、データはどうなりますか?
複合機はHDDやSSDを内蔵し、コピー・スキャンしたデータが残ることがあります。返却・廃棄時に内部データの消去を依頼し、消去証明書を発行してもらえるかを事前に契約内容で確認しておきましょう。この対応が契約に含まれない場合もあります。
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