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株式会社オブライト
Business DX2026-07-26約9分で読めます

会社のパソコンはいつ買い替えるべきか — 更新周期の目安とリース・購入の比較

会社のパソコンの買い替え時期を、用途別の更新周期・買い替えサイン・費用の目安から解説。1台あたりの総額の考え方、購入とリース・レンタル・サブスクの比較、まとめて更新する手順、旧PCのデータ消去と廃棄、予算の平準化とチェックリストまで中立的にまとめます。


会社のパソコンの買い替え(リプレース)とは、業務で使うPCを一定の周期で新しい機種に入れ替えることである。実務上の目安は4〜5年で、これは保証期間・故障率の立ち上がり・OSのサポート期限がおおむね重なる時期にあたる。1台あたりの費用は本体10〜18万円程度+作業費が中心で、10台をまとめて更新すると総額150万円前後になることも多い。「壊れたら買う」を続けている会社ほど、突発費用と業務停止のコストが大きくなるのが実情である。

なぜ「壊れてから」では遅いのか

パソコンは、ある時期を境に故障が増える。バッテリーの劣化、ストレージの寿命、ファンの目詰まりといった経年要因が重なるためで、購入から4〜5年を過ぎたあたりから「起動が遅い」「突然落ちる」といった不調が同時期に複数台で発生し始める。同じ時期に一括購入した会社では、それが一斉に来る。

問題はコストの出方である。壊れてから買う運用には、次の3つの隠れコストが乗る。

- 業務停止: 代替機がなければ、その社員は復旧まで仕事ができない。1人1日止まるだけでも人件費換算で数万円になる
- 緊急調達の割高: 在庫のある機種から選ぶことになり、仕様も価格も妥協した買い物になりやすい
- データ復旧: 故障がストレージ側だった場合、バックアップがなければ復旧費用は数万〜数十万円に跳ねる

突然の不調をどう切り分けるかは会社のPCが起動しない・ネットに繋がらないときの切り分け手順で整理しているが、そもそも計画的に更新していれば発生頻度そのものを下げられる。

更新周期の目安 — 用途別

全社一律で決める必要はない。負荷の高い用途は短く、軽い用途は長くという配分にすると、総額を抑えながら不調の多い機体から先に入れ替えられる。

用途目安周期考え方
一般事務(メール・Office・ブラウザ)5年標準。保証延長で5年に合わせやすい
営業・持ち出しノート4年落下・バッテリー劣化が早い。物理的な傷みが先に来る
設計・動画編集・開発3〜4年性能要求の伸びが速く、性能不足が生産性に直結する
現場・共用端末4〜5年使用時間は短いが扱いが荒い。予備機を1台持つ前提で
受付・掲示など常時稼働3〜4年24時間稼働はファン・電源の劣化が早い

あわせて、OSやソフトのサポート期限(EOL)も周期を決める要因になる。サポートが切れた環境を業務で使い続けるリスクについては「サポート終了」への備えで解説している。

買い替えを検討すべきサイン

周期に達していなくても、次のいずれかが出ていれば前倒しを検討する。逆に、これらが何も出ていない5年目のPCを慌てて捨てる必要はない。

- 起動やアプリの立ち上がりに待ち時間が発生し、社員が「待つのが当たり前」になっている
- バッテリーが半日もたたない、または膨張している(膨張は即交換・即使用中止)
- ファンが常時全開で、動作が遅くなる(熱による性能低下)
- ストレージの空き容量が常に不足し、作業のたびにファイルを消している
- メーカー保証・延長保証が切れている
- OSや業務ソフトのサポート期限が1年以内に迫っている
- 業務で使うソフトの必要スペックに届かず、動作が不安定

費用の目安

本体価格は仕様で大きく変わるが、法人向けノートPCの価格帯はおおむね次のレンジに収まる。数値は2026年時点の目安で、円安・部材価格・キャンペーンで上下する。

区分1台あたり本体価格の目安想定用途
エントリー8〜12万円メール・Office・ブラウザ中心の事務作業
標準12〜18万円一般事務+Web会議+複数アプリ同時利用
高性能20〜35万円設計・動画編集・開発など高負荷業務
周辺・付帯1〜4万円/台モニター・ドック・マウス・セキュリティソフト等
導入作業(キッティング)5,000〜20,000円/台初期設定・ソフト導入・データ移行を外部委託した場合

見落としやすいのが付帯費用である。本体だけを比べて安い方を選んだ結果、ドックや延長保証、キッティング、旧機の廃棄費用を足すと総額が逆転することは珍しくない。比較は「1台あたり総額(本体+周辺+作業+廃棄)」で行うのが原則である。

購入・リース・レンタル・サブスクの比較

調達方法は主に4つある。どれが正解かは会社のキャッシュフローと、社内でどこまで面倒を見られるかで変わる。

方式支払い方向いている会社注意点
購入初期に一括手元資金に余裕があり、長く使いたい更新時に費用が集中する。資産管理・廃棄も自社対応
リース月額(3〜5年契約)費用を平準化したい、台数が多い中途解約が難しい。総支払額は購入より大きくなりやすい
レンタル月額(短期可)増員・繁忙期・プロジェクト単位で必要長期では単価が高い
サブスク型(PCaaS/DaaS)月額(保守・キッティング込み)IT担当が不在で運用まで任せたい何が含まれるかの範囲確認が必須。解約時の扱いも要確認

IT担当がいない会社では、月額に初期設定・故障対応・回収廃棄まで含む方式が実務的に楽になることが多い。一方で「含まれる範囲」が曖昧な契約は後から追加費用が出るため、故障時の代替機提供・対応時間・データ消去の有無は契約前に必ず文面で確認したい。この確認の考え方は保守契約書のチェックポイントと同じである。

まとめて更新するときの進め方

1. 現状を棚卸しする: 台数/購入年/保証期限/利用者/用途を1枚の表にする。ここができていないと必要台数も予算も決まらない
2. 更新対象を絞る: 購入から4〜5年超、または前章のサインが出ている機体を優先。全台同時更新は費用が集中するため避ける
3. 標準機種を決める: 用途別に2〜3種類に絞ると、調達・設定・故障対応がまとめて楽になる。1台ずつ違う機種を買うのが一番高くつく
4. キッティング方針を決める: 誰が初期設定するか。自社なら1台あたり1〜2時間、外注なら台数分の作業費が乗る
5. データ移行の方法を決める: クラウド保存が前提なら移行は軽い。ローカル保存が中心なら、移行漏れが最大のトラブル要因になる
6. 旧機の処分を決める: データ消去と廃棄・下取りの手配。ここを後回しにすると、社内に放置端末が溜まる
7. 一覧表を更新する: 新しい台数・保証期限を記録し、次の更新時期をカレンダーに入れる

この一覧表は、パソコン単体ではなくアカウント・ライセンスと合わせて管理すると効果が上がる。始め方はPC・アカウント・ライセンスのIT資産管理にまとめている。

旧PCの処分 — ここが一番のリスク

買い替えで最も事故が起きやすいのは、実は新しいPCではなく古いPCの処分である。中には顧客データ・見積・人事情報が残っている。

- ゴミ箱を空にした、初期化しただけでは復元される可能性がある。専用ソフトによる消去、または物理破壊が原則
- 委託する場合はデータ消去証明書を発行してもらう。証明書が出せない業者は避ける
- リース返却でも、返却前のデータ消去責任が自社にある契約が多い
- 社員が退職・異動した端末は、返却時点でアカウント側の停止も行う(退職者のクラウドアカウント管理
- 「まだ使えるから予備に」と社内に残す端末は、サポート切れのまま社内ネットワークに繋がる危険がある。予備機は台数と用途を決めて管理する

予算化のコツ — 費用を平準化する

買い替え費用が「ある年だけ突出する」のは、過去に一括で買ったことの裏返しである。次の更新でこれを崩しておくと、以降の予算が読みやすくなる。

- 更新を年度で分割する: 20台なら年5台×4年のように分け、毎年ほぼ同じ金額を計上する
- 月額方式を混ぜる: 全台購入ではなく、一部をリース・サブスクにして固定費化する
- 年間のIT予算に「PC更新枠」を明示する: 枠がないと、毎回稟議からのやり直しになる(中小企業のIT予算の立て方
- 補助金・税制は使えれば使う: ただしスケジュールが制度側に縛られるため、業務上必要な更新を制度待ちで遅らせないこと

買い替えチェックリスト

- 全台の購入年・保証期限・利用者・用途を一覧化したか
- 4〜5年超の機体、および不調サインの出ている機体を特定したか
- 用途別の標準機種を2〜3種類に絞ったか
- 本体だけでなく周辺機器・保証・キッティング・廃棄を含めた総額で比較したか
- 購入/リース/レンタル/サブスクを自社のキャッシュフローで比較したか
- 月額方式の場合、故障対応の範囲・対応時間・代替機の有無を文面で確認したか
- データ移行の対象(ローカル保存ファイル・メール・ブラウザ設定・ライセンス)を洗い出したか
- 旧PCのデータ消去方法と、証明書の発行有無を決めたか
- 次回の更新時期をカレンダーに登録したか
- 予算を年度で分割し、単年集中を避けたか

よくある質問

会社のパソコンは何年で買い替えるのが正解ですか?

一般事務なら5年、持ち出しノートや高負荷業務なら3〜4年が実務上の目安です。ただし年数だけで機械的に決める必要はなく、「保証が切れているか」「不調が出ているか」「OSやソフトのサポート期限が近いか」の3点を合わせて判断するほうが無駄がありません。逆に、5年を超えていても保証内で快調なら、無理に前倒しする理由は薄いといえます。

リースと購入はどちらが得ですか?

総支払額だけを比べると購入のほうが安く収まることが多い一方、リースは費用を月額に平準化できるという利点があります。判断軸は「手元資金の余裕」と「更新のたびに稟議を通す手間をどう見るか」です。台数が多く更新を毎年少しずつ回したい会社は月額方式が向き、台数が少なく手元資金に余裕がある会社は購入で問題ありません。

古いパソコンはどう処分すればよいですか?

初期化だけでは不十分です。専用ソフトでのデータ消去か物理破壊を行い、外部に委託する場合はデータ消去証明書を発行してもらってください。証明書を出せない業者や、無料回収をうたって処理内容が不明な業者は避けるのが安全です。リース返却の場合も、返却前の消去責任が自社にある契約が多いため、契約条項を確認してください。

10台をまとめて更新すると総額はどのくらいですか?

標準的な事務用ノート(1台12〜18万円)を10台なら本体で120〜180万円、これに周辺機器・キッティング・旧機処分を加えて150〜220万円程度が目安です。同時に全台を更新すると単年の負担が大きいため、5台×2年に分けて平準化する進め方も検討に値します。

スペックはどこを見て決めればよいですか?

業務で使うソフトの必要スペックを起点に、メモリと保存容量を優先して決めるのが実務的です。事務作業でも、複数アプリとWeb会議を同時に使う前提ならメモリは余裕を持たせたほうが体感差が出ます。逆に、実際の業務で使わない高性能な構成に費用をかけても、生産性はほとんど変わりません。

まとめ

パソコンの買い替えは、機種選びよりも「いつ・何台・いくらで」を先に決めるほうが効く。全台の購入年と保証期限を1枚の表にし、4〜5年を超えた機体から年度ごとに分割して更新する。この形にしてしまえば、突発の故障対応と単年集中の出費というふたつの負担が同時に軽くなる。

そして、新しいPCを入れるときと同じ重さで、古いPCの処分を設計しておくこと。データを残したまま社外に出す事故だけは、費用の話では済まなくなる。

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