Qwen3.8-Omni-Flash最速解説 — 1Mコンテキスト・料金・重み非公開【2026年9月】
Qwen3.8-Omni-Flashは2026年9月18日にAlibabaが発表したomni-modalモデルである。総コンテキストは100万トークン、入力料金は100万トークンあたり0.15ドルから、重みは非公開でローカル実行はできない。出力はテキストのみで、音声・動画生成には外部ツールとの連携が必要になる。
Qwen3.8-Omni-Flashは、アリババ(Alibaba)のQwenチームが2026年9月18日に発表したomni-modal(全方位マルチモーダル)モデルである。テキスト・画像・音声・動画を入力として受け付け、総コンテキストは100万トークン、入力料金は100万トークンあたり$0.15からと安価だ。一方でモデルの重みは非公開のクローズドモデルであり、ローカル実行はできない。
前世代のQwen3.5-Omni-Plusは音声出力にも対応していたが、Qwen3.8-Omni-Flashの出力はテキストのみに絞られている。音声で応答させたい用途では、外部の音声合成(TTS)を組み合わせた多段パイプラインを自前で構築する必要がある点は導入前に押さえておきたい。
Qwen AIプラットフォーム(通義/Qianwen)およびAlibaba Cloud Model Studio(百煉/Bailian)でホスティング提供されており、いずれもAPI経由での利用が前提となる。以下、仕様・料金・ベンダー公表のベンチマーク、既存モデルとの違いを整理する。
何ができるか — 入力モダリティと用途

| 入力モダリティ | 具体例 |
|---|---|
| テキスト | 通常のプロンプト・文書 |
| 画像 | 写真・スクリーンショット・図表の理解 |
| 音声 | ステレオおよび4ch空間音声を含む音声認識・分析(74言語対応) |
| 動画 | 1回の呼び出しで最大1時間の連続動画を処理 |
- 長尺動画の分析(会議録画・監視映像・講義動画などの要約)
- 会議の要約(音声から議事録・要点を生成)
- 動画リサーチ(複数動画から情報を横断的に抽出)
- マルチモーダルなツール利用を伴うエージェント処理
仕様早見表
| 項目 | 値 |
|---|---|
| リリース日 | 2026年9月18日 |
| 提供形態 | Qwen AIプラットフォーム/Alibaba Cloud Model Studio(百煉)でのAPIホスティングのみ |
| 入力モダリティ | テキスト・画像・音声(ステレオ/4ch空間音声)・動画 |
| 出力モダリティ | テキストのみ |
| 総コンテキスト | 1,000,000トークン |
| 最大入力 | 約991,000トークン(thinkingモード時は約983,000トークン) |
| 最大出力 | 131,000トークン |
| reasoning budget | 262,000トークン |
| 連続メディア長 | 1回の呼び出しで最大1時間の連続音声・動画 |
| 対応言語(音声認識) | 74言語(周辺ツール側で29言語の生成に対応) |
| ウェイト公開 | 非公開(ローカル実行不可) |
料金
| 区分 | 価格(ベンダー公表値) |
|---|---|
| 入力 | $0.15 / 100万トークン |
| キャッシュ入力 | $0.016 / 100万トークン |
| 出力 | $0.47 / 100万トークン |
| 中国国内(百煉)マルチモーダル入力 | 0.8元 / 100万トークン(前世代の約18元から大幅値下げ) |
料金はいずれもAlibaba公表値であり、リージョンや契約形態によって実際の請求額は変動しうる。同じQwenシリーズの単価感を掴む参考として、Qwen3.7-FlashのAPI料金解説も合わせて確認するとよい。
ベンチマーク(ベンダー公表値)
| 指標 | スコア | 前世代(Qwen3.5-Omni-Plus)比 |
|---|---|---|
| 30評価の平均 | — | +26%超 |
| WildClawBench-MM | 71.0 | +36.5 |
| LongAudioSpan | 82.7 | +8.3 |
| OmniVideoBench | 63.4 | +9.6 |
| Agentic Understandingモードのトークン削減 | クエリあたり45.7%削減(精度は向上) | — |
上記の数値はすべてAlibabaが公表した値であり、第三者による独立評価はまだ存在しない。実運用での性能差は自社のワークロードで検証する必要がある。同時にAlibabaはQwen-MM-PluginsおよびQwen-Live Harnessも公開している。
使い方の最短手順
- Qwen AIプラットフォーム(通義/Qianwen)またはAlibaba Cloud Model Studio(百煉/Bailian)でAPIキーを発行する
- モデル名にQwen3.8-Omni-Flashを指定してリクエストを送る(具体的なモデルIDやパラメータ名は公式ドキュメントの最新表記を確認すること)
- 音声・動画を渡す場合はファイルサイズと1時間という連続メディア長の上限を事前に確認する
- 出力はテキストのみのため、音声で応答させたい場合は外部TTSを後段に接続する多段パイプラインを設計する
- 長い文脈を扱う場合はキャッシュ入力の対象になるよう、共通のシステムプロンプトやコンテキストを固定部分としてまとめる
既存モデルとの違い
| モデル | ウェイト公開 | 出力モダリティ | コンテキスト | 料金の傾向 |
|---|---|---|---|---|
| Qwen3.8-Omni-Flash | 非公開 | テキストのみ | 1Mトークン | 入力$0.15/100万〜と安価 |
| Qwen3.5-Omni-Plus(前世代) | 非公開 | テキスト+音声 | Qwen3.8-Omni-Flashより短い(前世代基準) | ベンチマーク各指標でQwen3.8-Omni-Flashに劣る(ベンダー公表値) |
| Gemini系マルチモーダル | 非公開 | モデル・プランにより異なる | モデルにより異なる | 具体的な料金・仕様は本記事では未確認のため比較を保留 |
| ローカル実行可能なQwenオープンウェイト系(Qwen3.8 27B・Qwen3.8-Flash-Next) | 公開 | モデルによる | モデルにより異なる | API課金なしだが自前のGPU/VRAM投資が必要 |
どんなときに選ぶか/選ばないか
- 選ぶ: 長尺動画・会議音声など大容量のマルチモーダル入力を安価に処理したい
- 選ぶ: 1Mトークンの大コンテキストを活かして複数の動画・文書を横断的に扱いたい
- 選ぶ: 出力がテキストのみで足りる用途(要約・分析・検索)である
- 選ばない: 音声で直接応答させたい(前世代のような音声出力がなく多段パイプラインが必須になる)
- 選ばない: モデルの重みを社内でホストしたい、あるいはローカル実行が前提の要件がある(Qwen3.8 27BやQwen3.8-Flash-Nextのようなオープンウェイト系を検討すべき)
- 選ばない: 第三者による独立したベンチマーク検証を必須とする調達要件がある(現時点ではベンダー公表値のみ)
Qwen3.8-Omni-Flashはローカルで実行できますか?
できない。モデルの重みは非公開のクローズドモデルであり、Qwen AIプラットフォームまたはAlibaba Cloud Model Studio(百煉)経由のAPI利用のみが可能である。
音声で応答させることはできますか?
できない。出力はテキストのみで、前世代のQwen3.5-Omni-Plusと異なり音声生成には対応していない。音声応答が必要な場合は外部の音声合成(TTS)を組み合わせる多段パイプラインを構築する必要がある。
料金はいくらですか?
Alibaba公表値では入力が100万トークンあたり$0.15、キャッシュ入力が$0.016、出力が$0.47である。中国国内の百煉ではマルチモーダル入力が100万トークンあたり0.8元と、前世代の約18元から大幅に値下げされている。
ベンチマークの数値は信頼できますか?
すべてAlibabaが公表した値であり、2026年9月時点で第三者による独立評価はまだ存在しない。導入検討時は自社のワークロードで実際に検証することが望ましい。
Qwen3.8-Omni-Flashは、1Mトークンのコンテキストと低価格を武器に、長尺の音声・動画を扱うマルチモーダル用途で選択肢となるモデルである。ただし重みが非公開でローカル実行ができない点、出力がテキストのみである点は、要件と照らし合わせたうえで導入判断をする必要がある。
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